サウジアラビア政府、携帯電話最大手stcの株式を一部売却へ
- 2021年12月09日
- 海外携帯電話
サウジアラビアの政府系投資ファンドである公共投資基金(Public Investment Fund:以下、PIF)はサウジアラビアの移動体通信事業者(MNO)でstcとして携帯通信事業などを展開するSaudi Telecom Companyの株式に関して一部を売却すると発表した。
PIFは2021年12月5日付けでSaudi Telecom Companyの株式の5.01%に相当する100,200,000株を売却すると発表していたが、2021年12月8日には2021年12月5日付けの発表を修正し、6.00%に相当する120,000,000株を売却すると案内している。
1株あたり100サウジアラビアリヤル(約3,036円)から116サウジアラビアリヤル(約3,521円)で売却する予定である。
PIFはSaudi Telecom Companyの株式の70%を保有しているため、一部の売却を完了後もPIFはSaudi Telecom Companyの筆頭株主の地位を維持する。
これまでに、PIFは2021年9月30日付けでSaudi Telecom Companyに書簡を送付して株式の過半数を維持したうえで一部を売却する方向で検討していることを伝えていた。
規制当局などから承認の取得を必要とするため、必要なすべての承認を取得するまで実行しないことも同時に表明していた。
そのため、規制当局などから承認の取得が条件となるが、PIFは検討事項を実行することになる。
Saudi Telecom Companyは加入件数を基準にサウジアラビアで最大手の移動体通信事業者である。
サウジアラビアのほかに子会社を通じてバーレーンおよびクウェートにも携帯通信事業で参入している。
バーレーンではstc Bahrain、クウェートではKuwait Telecommunications Companyが移動体通信事業者として携帯通信事業を行う。
2019年12月18日まではバーレーンおよびクウェートではVIVAとして展開していたが、2019年12月19日に親会社がSTCからstcに刷新すると同時に子会社もstcに統一したため、バーレーンおよびクウェートではVIVAからstcに刷新することになった。
なお、親会社による持分比率はstc Bahrainが100%、Kuwait Telecommunications Companyが51.8%となっている。
各社とも2019年第2四半期と早期に第5世代移動通信システム(5G)の商用化を実現しており、サウジアラビアでは2019年6月20日に同国では1番目、中東では7番目に5Gを商用化した。
バーレーンでは2019年6月27日、クウェートでは2019年6月15日に5Gを導入している。
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