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ファーウェイ、スマホの設計ライセンス供与を開始



中国のHuawei Technologies (華為技術)は外部の会社に対してスマートフォンの設計のライセンスを供与する事業を開始した。

すでに中国で複数の会社がHuawei Technologiesより設計のライセンスの供与を受けて開発したスマートフォンを製品化したことが分かっている。

これまでに、フィンランドのNokiaとHuawei Technologiesの合弁会社で中国のChengdu TD Tech (成都鼎橋通信技術)がTD Tech、中国の移動体通信事業者(MNO)であるChina Mobile Communications Group (中國移動通信集団)の子会社で同国のChina Mobile Group Device Company (中国移動通信集団終端)がNZONE、中国の移動体通信事業者であるChina Telecom (中国電信)の子会社で同国のTianyi Telecom Terminals (天翼電信終端)がMaimang、中国の移動体通信事業者であるChina United Network Communications (中国聯合網絡通信)の子会社で同国のUnicom Vsens Telecommunications (聯通華盛通信)がU-MAGIC、中国のChina National Postal and Telecommunications Appliances (中国郵電器材)の子会社で同国のChina Post Communications Equipment (中郵通信設備)がHi nova、英領ケイマン諸島のTCL Communication Technology Holdings (TCL通訊科技控股)の子会社で中国のJRD Communication (Shanghai) (捷開通訊科技(上海))がFFALCONのラインナップで製品化している。

なお、NokiaはChengdu TD Techに対する持分比率が過半を超えるが、子会社ではなく関連会社として位置付ける。

Huawei Technologiesがスマートフォンの設計のライセンスの供与を開始した背景として、米国(アメリカ)政府が発動した制裁措置の影響が考えられる。

米国の政府機関である商務省(Department of Commerce:DOC)傘下の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security:BIS)は2019年5月16日付けでHuawei Technologiesとその関係会社などをEntity Listの対象者に指定した。

Entity Listの指定を受けた事業体および個人に対する輸出管理規則(Export Administration Regulations:EAR)の対象品目の供給は許可制となるため、供給する場合は事前に産業安全保障局から許可を取得する必要がある。

米国原産の二重用途の汎用品、ソフトウェア、特許を含めた技術もしくは一連の米国原産品が価値を基準に一定以上の比率を含む部品や製品などが輸出管理規則の対象品目となる。

第4世代移動通信システム(4G)のスマートフォン向け部品など一部の申請は許可を発給しているが、許可の申請は却下を原則としており、2021年春頃から第5世代移動通信システム(5G)のスマートフォン向け部品は審査を厳格化したほか、半導体の製造能力に強力な制限を加えた。

Huawei Technologiesは子会社で中国のHiSilicon Technologies (深圳市海思半導体)を通じて半導体の設計などを行うが、HiSilicon TechnologiesもEntity Listの指定を受けて事業が大幅に制限されているため、5Gのスマートフォン向け部品は外部調達および内部調達ともに困難となっている。

世界で3番目に5Gの無線方式であるNR方式に対応したスマートフォンを製品化、世界で初めてNR方式のFR1のキャリアアグリゲーション(CA)に対応したスマートフォンを製品化、5Gの必須特許の保有数で上位を維持するなど、5Gの技術開発で先導してきたHuawei Technologiesであるが、制裁措置の影響で2021年後半にフラッグシップのスマートフォンとして製品化したHUAWEI P50およびHUAWEI P50 Proは5Gへの対応を断念することになった。

また、過去に発売した5Gのスマートフォンから5Gの機能を省いて4G版として発売する事態も発生するなど、スマートフォン事業は苦境に立たされている。

スマートフォン事業を中心とする消費者業務の2021年前半の売上高は前年同期比39.9%減の1,357億人民元(約2兆4,008億7,310万円)と急落しており、スマートフォン事業の落ち込みが深刻な状況となっている。

制裁措置は早期の緩和や解除が期待できないため、制裁措置による制限の存在を前提とした再建策が求められ、スマートフォンの設計のライセンスを供与することになった。

Huawei Technologiesは5Gの必須特許を大量に保有するため、5Gのスマートフォンの販売台数に応じて特許料を要求できるほか、スマートフォンの設計に関するライセンスの供与に対する売上高の発生が期待できる。

スマートフォンの設計のライセンス自体は輸出管理規則の対象品目に該当しないと考えられ、ライセンスの供与を受ける事業体および製造を担当する事業体の双方がEntity Listの指定を受けていなければ、ライセンスの供与を受ける事業体が5Gのスマートフォン向け部品を調達して5Gのスマートフォンを製品化することは問題ない。

実際にChina Post Communications Equipmentが製品化したHi nova 9およびHi nova 9 ProはそれぞれHuawei Technologiesが4Gのスマートフォンとして製品化することを余儀なくされたHUAWEI nova 9およびHUAWEI nova 9 Proをベースとするが、いずれもチップセットはQualcomm Snapdragon 778G 4G Mobile PlatformからQualcomm Snapdragon 778G 5G Mobile Platformに変更し、5Gの機能を追加できた。

なお、Huawei Technologiesはスマートフォンの製造を子会社で中国のHuawei Machine (華為机器)および外部の会社に委託しているが、Huawei MachineもEntity Listの指定を受けているため、スマートフォンの設計に関するライセンスの供与を受けた会社の製品として販売する5Gのスマートフォンは完全に外部の会社が製造を担当する。

Huawei Technologiesの製品ではないが、複数の会社がHuawei Technologiesの設計技術を適用した5Gのスマートフォンを製品化しており、機種数は順次拡大する予定である。

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