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iPhone SE(第3世代)は米国向け型番もミリ波5Gは非対応に



米国(アメリカ)のAppleが2022年3月18日に発売するスマートフォン「iPhone SE(第3世代)」はミリ波(mmWave)の周波数を使用した第5世代移動通信システム(5G)に非対応となった。

これまで、5Gに対応したiPhoneでは米国の海外領土を除く米国専用の型番を用意し、米国版に限定してミリ波の5Gにも対応してきたが、iPhone SE(第3世代)には米国専用の型番が存在しない。

米国では米領サモア(アメリカンサモア/東サモア)を除く米国の海外領土、カナダ、メキシコ、サウジアラビアと共通の型番であるA2595を展開することになり、米国で販売する5Gに対応したiPhoneとしては初めてミリ波の5Gは対応を見送った。

米国向けのiPhone SE(第3世代)でミリ波の5Gに非対応とした背景はコストと米国の周波数事情の変遷が関連すると推測できる。

米国ではミリ波の5Gに対応する必要がなくなり、廉価製品のiPhone SE(第3世代)ではコストを考慮してミリ波の5Gに非対応としたと考えられる。

加入件数を基準に米国最大の移動体通信事業者(MNO)でVerizon Wirelessとして事業を行うCellco Partnershipは5Gに対応した製品ではミリ波の5Gも対応を要求したが、Appleが2021年9月24日に発売したiPad mini(第6世代)のWi-Fi + Cellularモデルから3.7GHz帯のCバンドの5Gに対応する場合はミリ波の5Gは非対応でも許容することになった。

5Gの要求条件を満たすために規定された無線方式であるNR方式はサブ6GHz帯を中心とするFR1とミリ波を中心とするFR2に分類して周波数が定義されており、一般的に5Gの周波数はサブ6GHz帯とミリ波で分けられることが多いが、米国では広カバレッジの5Gと高速通信の5Gに分けて考える必要がある。

Cellco Partnershipの場合は広カバレッジの5Gを5G Nationwide、高速通信の5Gを5G Ultra Widebandとして展開し、サブ6GHz帯の周波数でもCバンドは広い帯域幅を確保して高速通信を実現できるため、2022年1月19日に導入したCバンドの5Gは5G Ultra Widebandに分類している。

2019年4月3日にミリ波の28GHz帯および39GHz帯を使用して5G Ultra Widebandを商用化したため、当初の5G Ultra Widebandはミリ波の5Gに相当したが、もはやそうではない。

Cellco Partnershipは引き続き5G Ultra Widebandの対応は必須とするが、5G Ultra Widebandはミリ波よりカバレッジの確保に有利なCcバンドを中心に整備する計画であるため、Cバンドの5Gに対応する場合はミリ波の5Gの対応は義務ではなくなった。

なお、Appleが2022年3月18日に発売するiPad Air(第5世代)のWi-Fi + Cellularモデルも米国で販売する型番であるA2589がミリ波の5Gに非対応となる。

一連の米国の周波数事情が製品の対応周波数に反映していると考えられる。

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