レバノンの携帯電話事業者Alfa、2023年Q1にVoLTEを導入へ
- 2022年10月02日
- 海外携帯電話
レバノンの移動体通信事業者(MNO)でAlfaとして携帯通信事業を展開するMobile Interim Company 1 (MIC 1)は2023年第1四半期に第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式で音声通話を実現するVoLTE (Voice over LTE)を導入すると発表した。
Mobile Interim Company 1の会長兼最高経営責任者は2022年9月21日にレバノンの電気通信大臣と会談を行い、2023年第1四半期に適格な35万人の加入者に対してVoLTEの提供を開始すると説明している。
VoLTEの導入は第5世代移動通信システム(5G)の導入に向けた第一歩と付け加えた。
5GのNR方式では無線アクセスネットワーク(RAN)構成がノンスタンドアローン(NSA)構成のOption 3の場合はアンカーバンドとして機能するLTE方式を使用してVoLTEで音声通話を行い、スタンドアローン(SA)構成のOption 2でもEPSフォールバック(EPSFB)を実装した場合はVoLTEで音声通話を行える。
5Gでも音声通話はVoLTEを使用する事例が多いため、VoLTEの導入は5Gの導入に向けた第一歩と説明したと思われる。
すでにレバノンのベイルート県の県都でレバノンの首都も兼ねるベイルート市を中心に周辺地域も含めた大ベイルート都市圏では屋外の11か所に5Gの基地局を開設して5Gの試験を実施している。
5Gの試験では下りは4Gの10倍に達する1.8Gbpsの通信速度を記録したという。
レバノンでは大規模な停電と燃料不足に伴い安定した電力の確保が困難で、一部の基地局は停止しているため、会談では基地局の稼働率に関しても説明した。
ケセルワン・ジュベイル県やベッカー県の西部など60%の地域では90~96%と比較的高い稼働率を維持しているが、ベイルート市やナバティエ県の一部など40%の地域では稼働率が80%未満に低下しており、結果としてレバノン全土の平均では稼働率が86~88%で推移する状況となっている。
基地局の停止は停電が主な原因であるため、無停電電源装置を更新してバックアップ時間を確保するほか、太陽光発電を実装して基地局が停止する時間の短縮に努める。
太陽光発電は2022年9月21日までに237か所の基地局で実装しており、さらに50か所で実装するための作業を進めている。
レバノンでは経済や電力の観点から効率的に携帯通信網を維持する必要があるため、レバノン政府は経済復興計画の一環で2022年7月1日から12か月以内を目安に第2世代移動通信システム(2G)の全部および第3世代移動通信システム(3G)の大部分を停止するよう求めている。
2Gの全部および3Gの大部分を停止した場合は原則として音声通話の実現にはVoLTEの導入が必要となるため、経済復興計画も念頭にVoLTEの導入を決定したと考えられる。
VoLTEを導入する詳細な時期は確定後に発表する予定である。
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