夜間外出禁止令のバングラデシュでデータ通信遮断、携帯電話事業者も抗議対象に
- 2024年07月21日
- 海外携帯電話
バングラデシュの移動体通信事業者(MNO)はデータ通信を遮断したことが分かった。
バングラデシュでは2024年7月10日から公務員採用の特別枠をめぐる抗議行動が各地で行われている。
抗議行動の沈静化を目的にバングラデシュ政府は移動体通信事業者にデータ通信の遮断を命令することになった。
バングラデシュの移動体通信事業者はBanglalink Digital Communications、Grameenphone、Robi Axiata、Teletalk Bangladeshの4社で、いずれもデータ通信の遮断に応じたため、2024年7月18日以降は各社ともデータ通信を利用しづらい事象が発生している。
なお、バングラデシュの移動体通信事業者やバングラデシュの政府機関で電気通信分野の規制を司るバングラデシュ電気通信規制委員会(Bangladesh Telecommunication Regulatory Commission:BTRC)からデータ通信の遮断に関する公式な声明はないが、さらなる抗議対象を避ける目的で沈黙を継続していると思われる。
バングラデシュには1971年のパキスタンからの独立戦争に参加した兵士の子孫を対象に公務員採用で特別枠を割当する制度が存在するが、バングラデシュ政府は2018年に廃止を決定していた。
しかし、2024年6月には高等裁判所がバングラデシュ政府の決定を違憲と判断しており、高等裁判所の判断に対して学生を中心とする抗議行動が起きた。
抗議行動の参加者と治安当局の衝突が激化しているため、バングラデシュ政府は2024年7月19日付けで夜間外出禁止令を発出する事態に至っている。
データ通信の遮断に対する抗議行動も発生しており、抗議行動の参加者がGrameenphoneの本社を包囲したことも分かっている。
抗議行動が沈静化するまで当面はデータ通信の遮断を継続すると思われる。
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