スポンサーリンク

チャゴス諸島の特殊な携帯通信事情、ディエゴガルシア島を含めモーリシャスに移譲



英国(イギリス)政府とモーリシャス政府はチャゴス諸島の主権行使に係る歴史的で政治的な合意に達したと発表した。

チャゴス諸島は英領インド洋地域として英国が統治しているが、英国は合意に基づきディエゴガルシア島を含むチャゴス諸島に対するモーリシャスの主権を認めると同時に、ディエゴガルシア島で開設した既存の軍事基地の運用を継続する。

厳密にはチャゴス諸島で構成する英領インド洋地域に対する主権をモーリシャスが引き継ぐことになる。

英領インド洋地域では英国の海外領土として英国本土とは異なる移動体通信事業者(MNO)が携帯通信事業を行い、バーレーン国有の移動体通信事業者であるBahrain Telecommunications Companyが完全所有するSure (Diego Garcia)が唯一の移動体通信事業者である。

事実上、英領インド洋地域の携帯通信市場はバーレーン国有の会社が独占している。

なお、ディエゴガルシア島以外の英領インド洋地域は基本的に無人で、携帯通信網はディエゴガルシア島に限定して整備する。

英領インド洋地域では1982年に英国のCable & Wirelessが英国政府から電気通信事業の免許を取得したため、Cable & Wireless (Diego Garcia)を設立して電気通信事業を開始した。

Cable & Wireless (Diego Garcia)は2010年にCable & Wirelessの会社分割に伴い米国(アメリカ)のCable & Wireless Communicationsに移管、2013年にはBahrain Telecommunications Companyに売却、途中で携帯通信事業を開始および社名をSure (Diego Garcia)に変更した経緯がある。

通常は携帯通信事業の事業会社は免許の対象区域で法人を設立するが、Sure (Diego Garcia)は英領インド洋地域法人ではなく、英領バミューダ法人であるため、海外の事業会社が免許人となっている。

さらに英国の海外領土では基本的に英国と異なる国コード(Mobile Country Code:MCC)を国際電気通信連合(International Telecommunication Union:ITU)より割当を受けて使用するが、英領インド洋地域では国際電気通信連合より国コードの割当を受けずに独自の国コードとして995を使用している。

海外の事業会社が免許人となる事例や国際電気通信連合より国コードの割当を受けずに独自の国コードを使用する事例は世界的に珍しく、特に後者は世界的にも2例に限られる。

一般人は渡航できない特殊な地域である英領インド洋地域は複数の観点から携帯通信事情も特殊と言える。

スポンサーリンク

コメントは受け付けていません。









  • follow us in feedly
  • Recent Entries


  • スポンサーリンク

    Instagram



  • Amazonアソシエイト

  • SNS

  • Calendar

    2024年10月
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    28293031  
  • Archive

  • Select Category

  • LINK