香港で21Vianet MobileがVaveブランドで開始したLTEサービスについてメモ

Tweet

香港特別行政区(以下、香港)で中国の21Vianet(世紀互聯)傘下の21Vianet Mobile(世紀互聯移動通訊)がブランド名をVaveとして移動体通信サービスを開始した模様なのでメモしておく。

21Vianetは2012年2月6日にOffice of the Communications Authority(通訊事務管理局弁公室)が実施したライセンスのオークションで、2.3GHz帯の30MHz幅を取得することに成功した。

周波数範囲は2300.0～2330.0 MHzで、落札額は最低入札額と同じく150,000,000香港ドル(約23億3,400万円)である。

ライセンス取得時の条件は有効期間が15年、移動体通信で利用する場合はライセンス取得後5年以内に人口カバー率50%、固定通信で利用する場合は200以上の商業施設などをカバーすることと定められた。

2.3GHz帯は広帯域ブロードバンドアクセス(BWA)のライセンスであるため、移動体通信のみならず固定通信での利用も想定した条件が設定されているが、21Vianet Mobileは移動体通信サービスを開始したため、条件は移動体通信における利用が適用される。

21Vianetはオークションを通じて香港における移動体通信事業への参入が決定してからは、2012年6月25日に香港でiJoy Information(愛卓易科技)を設立、2013年8月14日に社名をASIACLOUD WIRELESS(亞洲雲無線技術)に変更、2014年4月28日に社名を21Vianet Mobileに変更して今に至る。

周波数は2.3GHz帯のTDDであるため、通信方式はTD-LTE方式の2.3GHz帯(Band 40)に該当する。

2015年8月中旬頃から移動体通信サービスを開始している模様で、SIMカードのスターターパッケージは下記の4種類が用意されている。

4 Days Vave Unlimited 4G Tourist SIM Card (4天Vave訪港旅客無限4G儲値卡) – 60香港ドル(約930円)
7 Days Vave Unlimited 4G Tourist SIM Card (7天Vave訪港旅客無限4G儲値卡) – 100香港ドル(約1,600円)
30 Days Vave Unlimited Local SIM Card (30天Vave無限本地儲値卡) – 298香港ドル(約4,600円)
30 Days Vave Unlimited Local Data SIM Card (30天Vave無限本地数据儲値卡) – 238香港ドル(約3,700円)

4種類とも共通で香港内のデータ通信容量は無制限となり、データ通信専用の30 Days Vave Unlimited Local Data SIM Cardを除いて香港同士の音声通話およびSMSも無制限となっている。

4 Days Vave Unlimited 4G Tourist SIM Cardと7 Days Vave Unlimited 4G Tourist SIM Cardはパッケージ名通り訪港者をターゲットとしており、中国本土への国際電話(IDD)も無制限で利用できる。

21Vianetは中国ではよく知られており、またパッケージが簡体字であることからも、主に中国人訪港者をターゲットにしていると思われる。

SIMカードのサイズはMini SIM (2FF)サイズ、Micro SIM (3FF)サイズ、Nano SIM (4FF)サイズの3種類に切り抜くことが可能で、APNは21VNである。

チャージは30 Days Vave 4G Recharge Voucher (30天Vave本地4G充値券)が用意されており、30 Days Vave Unlimited Local SIM Cardで適用可能としている。

販売価格は200香港ドル(約3,100円)で、スターターパッケージを購入するより割安となっている。

チャージ方法は5235 0001宛にアクティベーションコードを送信するだけで、アクティベーションコードは指定のePaylinks Technology(易票聯支付技術)の取扱店で発行する。

その他、気になるところが数点…

21Vianet Mobileは2.3GHz帯のみを保有するが、香港内でも4Gのエリア外であれば3G/2Gを提供するとのことで、国内ローミングで他の移動体通信事業者のネットワークを利用すると考えられる。

CSL Mobile(香港流動通訊)のネットワークを利用するとの情報があり、21Vianet MobileのSIMカードを挿入して設定から4GをOFFもしくは2.3GHz帯のTD-LTE方式に非対応の端末で使えば分かるはず。

もうひとつ、30 Days Vave Unlimited Local SIM Cardは4G無限本地通話とあり、これはVoLTEを意味しているのかどうか気になるところ。

また、その他の音声通話対応プランは4G無限本地通話ではなく無限本地通話とあるが、表記が異なるのは意図的かどうか不明。

そもそも21Vianet MobileがVoLTEを提供しているかどうかは不明であるが、プランによってVoLTEを利用できない移動体通信事業者も存在するので、30 Days Vave Unlimited Local SIM Cardを買えば一通り試せるはず。

2015年11月中に香港を訪問して試すかどうか迷うところであるが、他にも行きたい国や地域があるため悩むところである。

30 Days Vave Unlimited Local SIM Cardは販売価格が高く(平壌で散財したため現在は金欠状態)、手元にある香港版のSamsung Galaxy Note5 (SM-N9200)がソフトウェアのアップデートでVoLTEに対応する予定であるため(今後のアップデートでVoLTEに対応する予定)、2016年以降にLCCのセールを狙って行くのもありかもしれない(それまでにお金を貯める)。

Vave