レバノン電信省が携帯電話事業者の管理権を1ヶ月延長
- 2016年01月04日
- 海外携帯電話
レバノンの行政機関で電気通信事業を管轄するMinistry of Telecommunications (電信省)は携帯電話事業者の管理権を延長することが分かった。
管理権は既存の管理者に対して1ヶ月間の延長となる。
レバノンの携帯電話事業者は特殊な形態を採用しており、レバノン政府が携帯電話事業者であるMobile Interim Company 1 (以下、MIC1)とMobile Interim Company 2 (以下、MIC2)の2社を保有しており、入札で管理者を選定している。
MIC1は前身の企業を1994年から2004年までフランスのFrance Telecom (現Orange)が所有、2004年に管理契約の形態に移行後、2004年から2008年はレバノンのFal Dete Telecommunications (FAL-DETE)が管理、2009年からエジプトのOrascom Telecom Media and Technology Holding (以下、OTMT)が管理しており、OTMTは2015年12月31日が期限となっていた。
一方で、MIC2は2004年からクウェートのMobile Telecommunications Companyが管理しており、Mobile Telecommunications Companyの管理権は2015年12月31日までであった。
MIC1とMIC2の管理権が2015年12月31日に満期を迎えるにあたり、2015年7月には入札に参加する企業の募集を開始し、Mobile Telecommunications Company、マレーシアのMaxis、トルコのTurkcell、英国のVodafone、フランスのOrange、ドイツのDeutsche Telekom傘下のDeteconが申請したことが分かっている。
OTMTは申請の提出が締め切りから1時間ほど遅れたことを理由に受理されず問題となっていたが、レバノン諮問評議会はOTMTの入札参加を容認すべきとの見解を示し、OTMTは入札に参加する可能性が高くなっていた。
なお、Vodafoneは入札に参加すると申請したものの、辞退を表明したことで撤退している。
入札準備からスムーズに進んでいなかったが、最終的にはMinistry of Telecommunicationsは入札業務に失敗した模様で、Ministry of Telecommunicationsは管理権を付与する企業の選定に失敗したことになる。
2015年12月31日の満期を迎えるまで新たな管理者が決定しなかったため、当初の予定より1ヶ月延長して2016年1月31日までOTMTはMIC1を、Mobile Telecommunications CompanyはMIC2の管理を認めることになったという。
なお、OTMTは子会社のOrascom Telecom Venturesの子会社であるOrascom Telecom Lebanonを通じてMIC1を管理している。
OTMTはVimpelComがOrascom Telecomを買収する際にVimpelComが取得しない資産を承継しており、携帯電話事業はエジプト、朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)、レバノンの事業が含まれていた。
エジプトにおける事業は経営権はなかったもののすでに出資を引き揚げており、北朝鮮における事業も様々なトラブルを抱えて撤退を検討しなければならない状況となっている。
今後の状況次第では、OTMTは携帯電話事業から完全に撤退する可能性もある。
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