米国政府、ファーウェイへの制裁措置を緩和へ
- 2019年06月30日
- 海外携帯電話
米国政府は中国のHuawei Technologies (華為技術)に対して発動した制裁措置を緩和することが分かった。
中国の習近平国家主席と米国のドナルド・トランプ大統領はG20大阪サミット2019に合わせて来阪し、2019年6月29日に大阪市内で米中首脳会談を開催した。
米中首脳会談では貿易問題やHuawei Technologiesへの制裁措置などが議題となった。
ドナルド・トランプ大統領は米中首脳会談で同意した内容をTwitterに投稿しており、米中間の交渉中はさらなる関税の引き上げを行わず、中国は米国から多くの農産物を輸入することでも合意したと明かしている。
ただ、米国としては現行の関税の引き下げは行わないことも明確化した。
Huawei Technologiesに関連する問題ではハイテク企業からの要求を考慮して、Huawei Technologiesによる米国のハイテク企業からの製品の購入を許可することでも合意したという。
注意点としてHuawei Technologiesによる米国のハイテク企業からの製品の購入に関しては完全に許可されるわけではない。
米国の国家安全保障に影響しない製品のみ認めると明確化しており、Huawei Technologiesによる購入を認める製品と認めない製品の具体的な品目や境界などは明らかにされていない。
米国側はHuawei Technologiesの事案を米中間の貿易問題の交渉材料に使い、中国側の譲歩を狙ったと思われる。
ドナルド・トランプ大統領は米中間の交渉を再開し、良好な関係を維持することが重要と米中首脳会談の成果をアピールしている。
なお、Huawei Technologiesに関しては、米国の政府機関である商務省(Department of Commerce:DOC)傘下の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security:BIS)は2019年5月16日付けでHuawei Technologiesとその関係会社をEntity Listに指定した。
Entity Listに指定された者に対する特定の米国原産品の輸出や再輸出には産業安全保障局が発行したライセンスが必要となるが、ライセンスの発行は原則として拒否されることから、Entity Listに指定された者は特定の米国原産品の取り扱いが難しくなる。
取り扱いが困難となる特定の米国原産品は産業安全保障局が管轄する輸出管理規則(Export Administration Regulations:EAR)の対象品目で、特許を含めた技術、ソフトウェア、物品など多くのハイテク製品が対象品目に含まれる。
米国政府がHuawei Technologiesに対して発動した措置は許可制であるため厳密には禁輸措置ではないが、内容は禁輸措置に近い。
また、対象品目の取り扱いを完全に許可するわけでないため、制裁措置の解除ではなく緩和という表現が正しいと思われる。
■関連記事
米政府、正式にファーウェイを制裁対象に指定
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。