韓国のKT Corporation、非武装地帯で5Gを導入
韓国の移動体通信事業者(MNO)であるKT Corporationは朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)との軍事分界線(軍事境界線)周辺の非武装地帯(DMZ)に位置する台城洞で第5世代移動通信システム(5G)を整備したと発表した。
台城洞は自由の村の通称で知られており、行政区画としては京畿道坡州市郡内面造山里に属する。
DMZの韓国側では民間人が居住する唯一の村で、北朝鮮との境界からの距離はわずか約400mである。
KT Corporationは2019年6月27日に台城洞で5Gの導入に合わせて式典を開催した。
式典にはKT Corporationの会長のほか、議員、住民、初等学校の教師や生徒、共同警備区域(JSA)の兵士などが出席したという。
台城洞は民間人出入統制区域の内部に位置するため、民間人の出入りが厳しく規制されており、KT Corporationは孤立した村と表現している。
福祉、教育、観光の分野で台城洞の住民の日常生活を改善するために、5Gネットワークを活用した様々なソリューションが導入された。
台城洞に居住する46世帯すべてを5Gネットワークでカバーしており、5Gネットワークを通じてエネルギー効率、大気質、スマート農業などを監督するためのメインコントロールセンターを設置した。
KT Corporationは台城洞で5Gネットワークを整備して支援することで、朝鮮半島の平和への貢献と5Gにおける韓国の世界的なリーダーシップの確立を約束すると説明している。
また、情報通信技術を駆使して遠隔地域の住民を支援するKT Corporationの取り組みの一部でもあるという。
KT Corporationは5Gの通信方式として標準化団体の3GPP (3rd Generation Partnership Project)が5Gの要求条件を満たすために規定したNR方式を採用する。
NR方式にはNR方式が単独で動作するスタンドアローン(SA)と、NR方式とLTE方式が連携して動作するノンスタンドアローン(NSA)が規定されているが、KT CorporationはNSAで運用している。
KT CorporationはNR方式向けの周波数としてFR1の3.5GHz帯で100MHz幅、FR2の28GHz帯で800MHz幅を保有するが、まずは3.5GHz帯の100MHz幅のみを運用しており、NR Bandはn78である。
主要な通信設備は韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)、韓国のEricsson-LG、フィンランドのNokiaの3社から調達し、地域によってベンダが異なり、京畿道ではSamsung Electronicsの通信設備を使用する。
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