総務省、MCCが441のIMSIのMNCを3桁化
- 2019年11月18日
- 携帯電話総合
総務省(Ministry of Internal Affairs and Communications:MIC)は国識別コード(Mobile Country Code:以下、MCC)が441の電気通信番号(International Mobile Subscription Identity:以下、IMSI)の事業者識別コード(Mobile Network Code:以下、MNC)を3桁化することになった。
IoT時代の電気通信番号に関する研究会報告書を踏まえ、総務省はIMSIの指定可能事業者数を確保するためにMCCが441のIMSIのMNCを3桁に変更することなどを含めた電気通信番号計画の一部を変更する告示案等の改正案を公開し、2019年9月28日から2019年10月28日まで意見募集を行った。
また、意見募集対象のうち2019年9月27日付けで情報通信行政・郵政行政審議会に諮問した内容に関して、2019年11月15日付けで諮問の通り変更することが適当である旨の答申を受けたという。
総務省は意見募集の結果および答申を踏まえ、速やかに省令・告示の整備を行う予定と案内している。
IMSIは3桁のMCC、2桁または3桁のMNC、最大10桁の加入者識別コード(Mobile Subscriber Identification Number:MSIN)で構成される。
MCCは国際電気通信連合(International Telecommunication Union:以下、ITU)より割当を受けており、日本のMCCは440および441となる。
MNCの桁数は規制当局の判断に委ねられており、日本では440と441ともに2桁を採用してきた。
しかし、日本では2015年以降に地域広帯域移動無線アクセス(地域BWA)事業者やフルMVNOとして事業を行う仮想移動体通信事業者(MNO)の増加などでMNCの新規指定が増加傾向にあり、指定可能事業者数を確保するための対策が必要となった。
新規指定できるMNCの残数が20%以下になればITUよりMCCの新規割当も可能であるが、同一のMCCで2桁と3桁のMNCが混在して運用することは3GPP (3rd Generation Partnership Project)の標準上では推奨されていないため、まずは指定数が少ないMCCが441のIMSIのMNCを3桁化して対応する。
MCCが440のIMSIのMNCは引き続き2桁のため、指定できるMNCは100で変わりないが、MCCが441のIMSIのMNCは2桁から3桁に変更することで、指定できるMNCは100から1,000に拡大できる。
これにより、440と441を合わせた日本全体では指定できるMNCが200から1,100となる。
MCCが441のIMSIのMNCはWireless City Planning (WCP)に00、SoftBankに01、UQ Communicationsに10が指定されているが、Wireless City Planningは閉域ネットワーク内での使用などを条件として継続して利用できる。
SoftBankの01およびUQ Communicationsの10は使用するサービスを終了後に廃止し、廃止手続きの際に基地局からの発射停止およびSIMの回収などを確実に行う措置を講じる。
なお、SoftBankは2020年7月末に終了するPHSサービスで01を使用しており、2023年3月末に終了するPHSテレメタリングサービスでは01を使用していない。
UQ Communicationsはすべての基地局で10を設定しているが、すべての基地局での更新作業や各種サーバの設定変更などの手続きを経て2020年7月を目途に返却し、MCCが440のIMSIに移行する予定である。
MCCが441のIMSIのMNCはThe Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games (公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会)に91が指定されており、総務省の資料に91は言及されていないが、期間限定のため無視していると思われる。
参考までに、MCCが440のIMSIのMNCの指定状況はSoftBankが00、20、21、UQ Communicationsが01、Hanshin Cable Engineering (阪神ケーブルエンジニアリング:HCE)が02、 Internet Initiative Japan (IIJ)が03、Japan Radio (日本無線)が04、Wireless City Planning (WCP)が05、SAKURA Internetが06、LTE-Xが07、Panasonic System Solutions Japanが08、Marubeni Wireless Communications (丸紅無線通信)が09、NTT DOCOMOが10、Rakuten Mobile (楽天モバイル)が11、Cable media waiwaiが12、KDDIが20、21、50、51、52、53、54、70、71、72、73、74、75、76、Okinawa Cellular Telephone (沖縄セルラー電話)が78の指定を受けている。
KDDIは2022年3月末をもってCDMA 1X WINを終了するため、54、54、70、71、72、73、74、75、76は返却する予定を表明していたが、53は2019年よりRakuten Mobileのローミング向けでも使用を開始した。
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