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ZTEが2019年通期の業績を発表、回復傾向に



中国のZTE (中興通訊)は2019年通期の業績を発表した。

2019年12月21日に終了した12ヶ月間となる2019年通期の連結売上高は前年比6.11%増の907億3,660万人民元(約1兆3,798億円)、所有者に帰属する純利益は前年比173.71%増の51億4,790万人民元(約783億円)となった。

前年比で黒字転換を果たした。

2018年通期は米国政府による制裁措置の影響で業績が大幅に悪化したが、制裁措置は2018年のうちに解除されており、2019年通期の業績は回復傾向である。

また、事業別および地域別の連結売上高および占有率も公開されている。

事業別では通信事業者向け事業が前年比16.66%増の665億8,440万人民元(約1兆125億円)、政府・企業向け事業が前年比0.79%減の91億5,480万人民元(約1,396億円)、消費者向け事業が前年比21.93%減の149億9,740万人民元(約2,281億円)となった。

占有率は通信事業者向け事業が73.4%、政府・企業向け事業が10.1%、消費者向け事業が16.5%を占めた。

前年比で政府・企業向け事業と消費者向け事業は減収を記録したが、ZTEの中核事業である通信事業者向け事業が好調でZTEの業績の回復を支えた。

なお、通信事業者向け事業は主に移動体通信事業者(MNO)に対する基地局など通信設備の販売やそれに関連する業務などが中心となる。

地域別では中国が前年比6.93%増の582億1,700万人民元(約8,853億円)、中国以外のアジアが前年比11.00%増の131億8,030万人民元(約2,004億円)、アフリカが前年比30.22%増の53億1,610万人民元(約808億円)、欧米および大洋州が前年比7.19%減の140億2,320万人民元(約2,133億円)となった。

中国が64.2%、中国以外のアジアが14.5%、アフリカが5.9%、欧米および大洋州が15.4%を占めており、依然としてZTEにとって中国の事業規模が最も大きい。

中国企業に対して厳しい姿勢の国が多い欧米および大洋州では減収を記録したが、中国を含めたアジアやアフリカは回復傾向で、特に中国以外のアジアやアフリカの成長率は中国を上回った。

アフリカは規模が小さいが、2018年通期に続き好調に業績を伸ばした。

2019年通期は欧米および大洋州を除いた各地域で通信事業者向け事業が好調で、ZTEの業績の回復に大きく貢献したと考えられる。

スマートフォンを含めた携帯端末などに関する事業を指す消費者向け事業は引き続き低迷しているが、ZTEは2019年に欧州や中東で第5世代移動通信システム(5G)に対応したスマートフォンを早期に製品化し、多くの企業が5Gに対応したスマートフォンを相次いで発売している中国では一番に5Gに対応したスマートフォンを製品化した実績がある。

2020年には日本でもSoftBankやauを展開するKDDIおよびOkinawa Cellular Telephone (沖縄セルラー電話)に対して5Gに対応したスマートフォンを納入することが決まっている。

ZTE

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