フィリピンの携帯電話事業者DITOの基地局ベンダが判明、中国3社を選定
- 2021年02月24日
- 海外携帯電話
フィリピンで移動体通信事業者(MNO)として新規参入するDITO Telecommunity Corporationの基地局ベンダが判明した。
DITO Telecommunity Corporationは基地局の開設場所の確保を他社に委託しており、正式に承認を受けた5社がDITO Telecommunity Corporationに代わり基地局の開設場所を確保することになる。
5社には建設業者と基地局ベンダが含まれており、フィリピン全域ではフィリピンのUdenna Infrastructure CorporationおよびフィリピンのChina Communication Services Philippines、マニラ首都圏およびルソン島北部では中国のHuawei Technologies (華為技術)、ルソン島南部およびビサヤ諸島では中国のZTE (中興通訊)、ミンダナオ島では中国のNokia Shanghai Bell (上海諾基亜貝爾)が担当する。
フィリピン全域を担当する2社が建設業者、地域限定で担当する3社が基地局ベンダとなり、DITO Telecommunity Corporationは基本的にマニラ首都圏およびルソン島北部ではHuawei Technologies、ルソン島南部およびビサヤ諸島ではZTE、ミンダナオ島ではNokia Shanghai Bellから調達した基地局を使用してネットワークの整備を進める。
Nokia Shanghai BellはフィンランドのNokiaの子会社であるが、中国の事業会社を通じて基地局を調達することになる。
DITO Telecommunity CorporationはフィリピンのUdenna Corporationと中国のChina Telecommunications (中国電信集団)の合弁会社で、持分比率はUdenna Corporationの子会社が合計で60%、China Telecommunicationsが40%である。
Udenna Corporationには携帯通信事業の実績はないが、China Telecommunicationsは中国の移動体通信事業者であるChina Telecom (中国電信)およびマカオ特別行政区の移動体通信事業者であるChina Telecom (Macau) (中國電信(澳門))を所有しており、China Telecommunicationsは中国を中心に携帯通信事業で十分な実績を有する。
China TelecomはHuawei Technologies、ZTE、Nokia Shanghai Bellより基地局を調達しており、China TelecommunicationsはChina Telecomと同様の経路でDITO Telecommunity Corporation向けの基地局を調達すると思われる。
また、建設業者のUdenna Infrastructure CorporationはUdenna Corporationの子会社で、China Communication Services PhilippinesはChina Telecommunicationsの子会社である中国のChina Communications Services Corporation (中国通信服務)のフィリピン法人であるため、DITO Telecommunity Corporationの2大株主の子会社が通信設備などインフラストラクチャの設計、建設、点検などを担当することも分かる。
なお、China Communications Services CorporationにはChina Telecommunicationsのほかに中国のChina Mobile Communications Group (中国移動通信集団)および中国のChina United Network Communications Group (中国聯合網絡通信集団)も資本参加しており、持分比率はそれぞれ51.39%、8.78%、3.41%となっている。
DITO Telecommunity Corporationは2021年3月8日に移動体通信事業者として商用化する。
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