ブルネイ・ダルサラーム、世界で唯一の完全な単一卸売網
ブルネイ・ダルサラームは世界的に珍しい完全な単一卸売網の採用国である。
単一卸売網の採用実績がある国は世界でもブルネイ・ダルサラーム、マレーシア、ベラルーシ、ルワンダのわずか4か国である。
しばしば英国(イギリス)やメキシコが含まれる場合もあるが、英国の場合は遠隔地に限定しており、遠隔地以外では複数の移動体通信事業者(MNO)に携帯通信網の構築を認めている。
メキシコの場合は第4世代移動通信システム(4G)で特定の周波数に限定して卸売専業の移動体通信事業者が存在するが、ほかの移動体通信事業者にも4Gの構築を認めているため、単一ではない。
英国やメキシコの状況を考慮すると、英国やメキシコを単一卸売網の採用国に含めることは適切ではないと考える。
単一卸売網の採用国自体が少ないが、単一卸売網の採用国では一部の通信世代に限定して単一卸売網を採用することが多い傾向である。
マレーシアでは第5世代移動通信システム(5G)、ベラルーシおよびルワンダでは第4世代移動通信システム(4G)に限定して単一卸売網を採用した。
しかし、ブルネイ・ダルサラームは第2世代移動通信システム(2G)、第3世代移動通信システム(3G)、4G、5Gの全部を単一卸売網の対象としたため、世界で唯一の完全な単一卸売網の採用国となった。
なお、2Gは停波を完了しており、卸売専業の移動体通信事業者でUNNとして携帯通信事業を行うUnified National Networksが3G、4G、5Gの運用を継続している。
単一卸売網の採用実績がある国でもルワンダでは単一卸売網を終了したほか、マレーシアでは第2の5Gの構築を許容する意向をマレーシア政府が表明しており、単一ではなくなる見通しである。
マレーシアで単一卸売網を終了する見通しであるが、ガーナでは5Gで単一卸売網の採用が決定したため、マレーシアで単一卸売網を終了してもガーナで単一卸売網を導入後は単一卸売網を継続する国はブルネイ・ダルサラームを含めて3か国となる。
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