北朝鮮で平壌インターネット通信局の建設に着手、タイのLoxpacも関与
- 2015年11月29日
- DPRK
朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)は同国が運営する対外向けウェブサイトのDPRK TODAY (朝鮮の今日/조선의 오늘)を通じて「平壌インターネット通信局(평양인터네트통신국)」を北朝鮮の首都・平壌に建設することを明らかにした。
2015年11月25日に平壌でインターネット通信局の着工式を開催したことを伝えている。
インターネット通信局の建設目的は明らかにしていないが、北朝鮮の通信を近代化する計画を示しており、社会主義文明国の建設を力強く促進する上で通信の近代化は重要な事業と位置付けている。
建設の完了時期については言及しておらず、2016年中に建設を完了する見通しで、建設を完了または運営を開始すればDPRK TODAYなどを通じて発表すると思われる。
着工式には北朝鮮の逓信省(Ministry of Posts and Telecommunications/체신성)の関係者に加えて、タイのLoxley (ロックスレイ)傘下であるLoxpac (Thailand) (ロックスパック(タイランド))の関係者が参加したことが明らかにされている。
逓信省傘下のKorea Posts and Telecommunications Corporation (朝鮮逓信会社/조선체신회사:以下、KPTC)はLoxpac (Thailand)の関連会社で香港特別行政区のLoxpac Hong Kong (ロックスパック・香港)と合弁会社としてSTAR JOINT VENTURE CO LTD (星合営会社/별합영회사:以下、STAR JV)を設立し、インターネット関連事業を手掛けている。
STAR JVは平壌の普通江区域2に本社を構えており、北朝鮮国内で外国人向けにインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)としての事業を手掛けるほか、北朝鮮の国別コードトップレベルドメインの.kpも管理する。
北朝鮮ではインターネットの利用は限定的であるが、北朝鮮国内に限定したイントラネットが一般的に利用されている。
オンライン販売の導入などイントラネットの用途を広げており、インターネット通信局の建設によりイントラネットを本格的に整備する可能性が考えられる。
また、Loxpac (Thailand)はKPTCと合弁会社としてNorth East Asia Telephone and Telecommunications Co., Ltd. (東北アジア電話通訊会社/동북아시아전화통신회사:以下、NEAT&T)を北朝鮮の羅先に設立し、移動体通信事業などを展開していた。
NEAT&Tの事業を手掛ける拠点として羅先に設立した羅先国際通信中心はLoxpac (Thailand)が主導しており、インターネット通信局もLoxley系列が主導して北朝鮮におけるLoxley系列の拠点とする可能性がある。
北朝鮮ではSTAR JVが移動体通信事業に参入する計画も浮上しており、インターネット通信局の建設完了まで暫く時間を要する見込みであるが、Loxley系列の動向を注視しておきたいところである。
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