X Developmentがプエルトリコで気球経由の4G LTEサービスを開始、AT&TやAppleも協力
- 2017年10月23日
- 海外携帯電話
米国のAlphabetの子会社であるX Developmentは米自治領プエルトリコでProject LoonによるLTEサービスの提供を開始したと発表した。
Project Loonは気球を通じて遠隔地などにインターネット接続を提供するプロジェクトである。
米自治領プエルトリコでは大型ハリケーン・マリアが直撃して大規模な被害が発生し、依然として通信サービスが回復していない地域も多い。
そこで、X DevelopmentはProject Loonを活用して通信サービスが未回復の地域でLTEサービスを提供することに決めた。
米国のネバダ州から気球を打ち上げ、すでに米自治領プエルトリコに到着しており、米国の移動体通信事業者であるAT&T Mobilityの支援を得て最も被害を受けた地域でLTEサービスを提供しているという。
通信方式および周波数はFDD-LTE方式の900MHz帯(Band 8)となる。
X Developmentは米自治領プエルトリコでProject Loonを導入するために、プエルトリコ政府、米国の政府機関である連邦通信委員会(Federal Communications Commission:FCC)、連邦航空局(Federal Aviation Administration:FAA)、連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency:FEMA)などとも協力した。
周波数利用などで協力したHigh Tech Communications Services、MilkyWay Communications、North Sight Communications、PDV Spectrum Holding Company、Space Data Spectrum Holdings、Puerto Rico Electric Power AuthorityおよびPREPA Networks、Sensus Spectrum、Spokにも感謝を表明している。
米国のAppleも協力しており、iOS 10以降のiOSを導入したApple iPhone 5c以降のiPhoneシリーズのスマートフォンに特別なキャリア設定アップデートを実施し、米自治領プエルトリコでFDD-LTE方式の900MHz帯を有効化してProject LoonによるLTEサービスを利用できるよう準備したという。
ただ、キャリア設定アップデートを適用するためには、まずは通信サービスに接続する必要がある。
X Developmentによると通信サービスが不通の状況かつ短期間の準備でProject Loonを導入する事例は初めてとのことで、Project Loonは実験的な段階ではあるが、米自治領プエルトリコの人々のコミュニケーションに役立つことを願うと表明している。
なお、X Developmentの親会社であるAlphabetはGoogleの親会社としても知られる。
■関連記事
大型ハリケーン・マリアの影響で米自治領プエルトリコの基地局95%が破壊される
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。