NTTドコモがマンホール型基地局の試作機を開発、実証実験を開始
- 2018年04月11日
- docomo-総合
NTT DOCOMOはマンホール型基地局の試作機を日本国内で初めて開発したと発表した。
観光地や景勝地などは周辺に基地局の設置に適した場所が少ない状況で、景観を損なわないような基地局の設置が難しく、安定した通信を実現するエリアの構築が困難な場合がある。
マンホール型基地局は景観を保護しながら設置できる基地局となり、観光地や景勝地など人口過密地で安定した通信の実現が期待できる。
アンテナは地中10cmの深さに設置し、無線装置への光回線の接続や電源の確保は地下埋設された配管を通じて地上から引き込み、エリアは半径90m程度となっている。
札幌検証局は通信方式がFDD-LTE方式の1.5GHz帯(Band 21)、帯域幅が15MHz幅*2、2×2 MIMOおよび256QAMを適用、通信速度は下り最大150Mbps/上り最大37.5Mbpsである。
快適な通信環境を提供できるエリアが確保できること、マンホール上を含むマンホール型基地局周辺の電波強度が電波防護指針に基づく電波法令を遵守した値であること、設置場所の安全基準に準拠したマンホール蓋の強度であることを満たす必要があり、これらの条件を満たす技術の確立を目的として2018年3月6日よりマンホール型基地局の実証実験を開始している。
まずは積雪環境下で条件を満たすかを確認するため、北海道札幌市のNTT DOCOMOの管理環境内に実験用の基地局を開設し、鉄製のマンホール蓋と同様の耐荷重性能T-25規格を満たす樹脂製のマンホール蓋を用いて、想定通りに半径90m程度のエリアを確保できることを確認したという。
人口過密地での高負荷環境、高温多湿の環境、降雨の多い環境下などで条件を満たせるか確認するため、2018年夏頃には沖縄県南城市で、2018年冬には東京都渋谷区で検証を実施する予定である。
NTT DOCOMOは2018年度内に本格運用を目指し、基地局の設置が困難な地域で通信環境の改善に取り組み、将来的な第5世代移動通信システム(5G)への応用も並行して検討する。
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