中国政府がトランプ系企業のプロジェクトに融資、ZTE救済指示との関連が指摘される

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米国のドナルド・トランプ大統領は中国のZTE (中興通訊)に対する制裁措置の緩和を示唆し、米国の政府機関である商務省(Department of Commerce：DOC)に対してZTEの問題を対処するよう指示したが、これは中国政府による米国のThe Trump Organizationが関与するプロジェクトへの融資と関連がある可能性が浮上した。

ドナルド・トランプ大統領と関わりが深いThe Trump OrganizationはインドネシアのMNC Landとインドネシア国内で複合リゾート施設を建設するプロジェクトを進めている。

複合リゾート施設はトランプブランドとなり、ホテルやゴルフコースなどを設置する予定という。

このトランプブランドの複合リゾート施設のプロジェクトに中国のMetallurgical Corporation of China (中国冶金科工：MCC)が5億米ドル(約551億円)を融資することで合意した。

Metallurgical Corporation of Chinaは中国の最高国家行政機関であるState Council (国務院)の直属組織であるState-owned Assets Supervision and Administration Commission (国有資産監督管理委員会：SASAC)が監督および管理する国有企業であるため、実質的に中国政府が融資すると解釈できる。

ドナルド・トランプ大統領は米国大統領の就任に伴いThe Trump Organizationの会長からは退任し、ドナルド・トランプ大統領の息子らが中心となってThe Trump Organizationの事業を担うが、依然としてドナルド・トランプ大統領の影響は強いとされている。

中国政府と米国政府の貿易代表団は米国で2018年5月15日から2018年5月19日の日程で経済や貿易の問題を協議し、ZTEの問題も議論する方針であるが、それを待たずにドナルド・トランプ大統領はZTEの制裁措置の緩和を示唆し、商務省に対処を指示した。

ドナルド・トランプ大統領の指示などはMetallurgical Corporation of Chinaがトランプブランドの複合リゾート施設のプロジェクトに融資することで合意して72時間後の出来事であるため、中国政府によるドナルド・トランプ系企業のプロジェクトへの融資とZTEの救済は関連性が指摘されている。

中国政府はZTEに対する制裁措置を不当に中国企業の経営活動を阻害する行為として報復措置を示唆するなど、結果的に貿易摩擦の交渉材料となった印象が否めないが、そもそもはZTEに対して2018年4月に発動した制裁措置は、本来は昨今の米中間の貿易摩擦とは関係なく、2016年3月に発動した制裁の和解に係る合意条項への違反が理由である。

商務省はZTEが米国の規則に違反して米国に損害を与えたと激怒し、また米国の政府機関である国防総省(Department of Defense：DoD)もZTEを国家安全保障上の脅威と認識している。

そんな米国の国益や国家安全保障を損ねるはずのZTEをドナルド・トランプ大統領が助けることで、ドナルド・トランプ系企業の利益に繋がるとの見方が出ている。

もしそうであれば、アメリカ・ファーストではなく、トランプ・ファーストというわけか…

なお、ZTEおよび同社が直接出資する完全子会社で中国のZTE Kangxun Telecommunications (深圳市中興康訊電子)は米国の政府機関である商務省傘下の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security：BIS)よりDenied Persons Listに指定されて、輸出管理規則(Export Administration Regulations：EAR)の対象品目の取引が禁止となり、主要な経営活動の停止に追い込まれている。

SECOND NEXUS

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