GSMAなどがチリの電気通信分野に懸念を表明、周波数の問題で
- 2018年07月04日
- 海外携帯電話
GSM Association (GSMA)および米州電気通信企業協会 (Asociacion Interamericana de Empresas de Telecomunicaciones:ASIET)はチリの電気通信分野に懸念を表明する声明を共同で発表した。
チリでは立て続けに周波数に関連した問題が発生しており、まずはチリの政府機関で電気通信分野の規制を担う電気通信総局(Subsecretaria de Telecomunicaciones:SUBTEL)が移動体通信事業者(MNO)に対して3.5GHz帯の返却を求めた。
次に、チリの最高裁判所は移動体通信事業者に対して700MHz帯を返却するよう命じた。
3.5GHz帯に関しては、電気通信総局が第4世代移動通信システム(4G)のために移動体通信事業者へ割当を実施したが、調査の過程で3.5GHz帯の基地局が少ない状況と判明したため、第5世代移動通信システム(5G)の試験用に使う目的で回収する決断を下した。
700MHz帯に関しては、電気通信総局が実施した周波数オークションで割当先が決定したが、チリの消費者団体であるCorporacion Nacional de Consumidores y Usuarios de Chile (以下、CONADECUS)が700MHz帯を取得した移動体通信事業者は1社あたりの保有可能な帯域幅の上限に関する規定に違反するとして提訴し、チリの最高裁判所はCONADECUSの主張を認めて移動体通信事業者に返却するよう命じた。
移動体通信事業者各社は周波数の返却には難色を示している。
一連の周波数の割当に関する問題を受けて、GSM Associationおよび米州電気通信企業協会は共同で懸念を表明した。
制度の不備を指摘したほか、保有可能な帯域幅の上限は時代遅れと主張し、電気通信総局を中心にチリの関連当局に対して再考を促している。
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