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北朝鮮代表団がViettel Groupの拠点を視察した背景は


第2次 朝米首脳会談に合わせてベトナムを訪問した朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の代表団はベトナムのViettel Group (軍隊工業通信グループ)の拠点を視察した。

Viettel Groupはベトナム最大の電気通信事業者である。

そこで、北朝鮮を含むアジアの電気通信分野を追究している筆者なりに北朝鮮の代表団がViettel Groupの拠点を訪問した背景を読み解いてみる。

2019年2月27日と2019年2月28日の日程で第2次 朝米首脳会談がベトナムの首都・ハノイ市で開催されたが、北朝鮮の代表団は2019年2月28日の午後にハノイ市タクタット地区にあるViettel Groupの拠点を訪れた。

Viettel Groupはハノイ市トゥリエム地区に本社を置くが、ハノイ市西部に位置するタクタット地区の工業団地であるホアラック・ハイテクパークには重要な拠点を設置しており、ホアラック・ハイテクパークの拠点で北朝鮮の代表団を迎え入れた。

ホアラック・ハイテクパークの拠点では通信設備の研究や製造に加えて、ネットワークオペレーションセンターの運営も行う。

過去、Viettel Groupは通信設備を輸入に依存していたが、自社製造を導入して輸出も開始している。

北朝鮮の代表団にはViettel Groupが製造した通信設備を披露し、Viettel Groupが開発したソリューションやシステムも紹介した。

また、ネットワークオペレーションセンターではベトナム国内のネットワークやシステムの監視および運用、Viettel Groupが参画するベトナム国外の10の電気通信事業者に対する技術的な支援や助言を行う拠点で、そのネットワークオペレーションセンターの案内も行われた。

北朝鮮は科学技術の発展に注力しており、北朝鮮国内では電気通信分野の近代化を掲げて電気通信分野の関係者らの大規模な集会も開催している。

Viettel Groupはベトナム最大手の電気通信事業者で、ベトナムのみならず東南アジアでも存在感を示しており、ベトナムで電気通信分野を視察するならばViettel Group以外の選択肢はないに等しいはずだ。

とりわけ、Viettel Groupは通信設備の国産化を推進しており、電子機器などの国産化を推進し、電気通信分野の近代化を掲げる北朝鮮にとって参考になる部分は少なくないだろう。

さらに、Viettel Groupは北朝鮮で移動体通信事業者(MNO)としての参入を検討し、2009年から2011年には北朝鮮の記念日に北朝鮮当局にプレゼントを贈って北朝鮮に参入できるよう北朝鮮当局との関係強化を図ったこともある。

当時は北朝鮮当局と既存の北朝鮮の移動体通信事業者であるCHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社)の出資者が交わした契約でCHEO Technology JV Companyに対する期間を定めた独占権を付与しており、新たな移動体通信事業者は参入不可のためViettel Groupの参入は実現しなかった。

しかし、Viettel Groupは北朝鮮への参入を諦めておらず、2019年初めには北朝鮮に関心があると改めて表明した。

これらの点から、北朝鮮の代表団がViettel Groupに関心を持ち、訪問先に選ぶことは自然と言える。

また、視察をアレンジしたベトナム政府としても北朝鮮の代表団にViettel Groupを見せたかったはずだ。

Viettel Groupはベトナム人民軍を統括するベトナムの国防省(Ministry of National Defence:MOD)が所有する国営企業で、ベトナム政府の政令では国防省が命じた政治的、軍事的、その他の特別な業務を遂行する義務があると規定されており、Viettel Groupの意思決定の背後にはベトナム政府の指示が存在する。

そのため、Viettel Groupはベトナム政府を代弁すると言っても過言ではなく、ベトナム政府はViettel Groupを通じて北朝鮮で影響力を強める狙いがある。

Viettel Groupは北朝鮮の代表団を歓迎する式典を開催してプレゼントも贈呈したが、ベトナム政府およびViettel Groupは北朝鮮の代表団にViettel Groupの成功事例や技術力をアピールし、さらには北朝鮮当局者らとの関係を深めて将来的に北朝鮮で事業の機会を得られる可能性を高めるべく働きかけたと考えている。

北朝鮮の代表団は電気通信分野や国家安全保障でViettel Groupとの交流を希望する意思を表明しており、国際的な制裁措置の緩和や解除など条件が整えば、いつかViettel Groupの国際事業に北朝鮮が加わる日が来るかもしれない。

これまでに、筆者は北朝鮮とViettel Groupの関係を個別の記事で取り上げており、両者の関係性から北朝鮮の代表団がViettel Groupを視察しそうな予感がしていたが、その筆者の予感は的中したことになる。

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