韓国版のSamsung Galaxy S10 5G、LTE接続時に5G表示となる場合も
- 2019年04月30日
- Android関連
韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)が発売したスマートフォン「Samsung Galaxy S10 5G (SM-G977N)」はLTE接続時でもアンテナピクトが5Gと表示される場合があることが分かった。
韓国向けに公開されたSamsung Galaxy S10 5Gの取扱説明書によると、韓国国内では3G、LTE、LTE+、5G (白地)、5G (黒地)のアンテナピクトが表示される可能性がある。
このうち、5G (白地)の表示は「LTE network connected in LTE network that includes the 5G network」、5G (黒地)の表示は「5G network connected」と記載されている。
5G (白地)の表示は5Gネットワークを含むLTEネットワークに接続時、5G (黒地)の表示は5Gネットワークに接続時と解釈できる。
したがって、仕様として意図的にLTE接続時でも5Gの表示になる場合があると分かる。
韓国向けのSamsung Galaxy S10 5Gは韓国の移動体通信事業者(MNO)であるSK Telecom、KT Corporation、LG Uplus (LG U+)の5Gサービスに対応したスマートフォンである。
SK Telecom、KT Corporation、LG Uplusは5Gの通信規格として標準化団体の3GPP (3rd Generation Partnership Project)で5Gの要求条件を満たすために規定されたNR方式を採用する。
NR方式の動作モードにはNR方式が単独で動作するスタンドアローン(SA)と、NR方式とLTE方式が連携して動作するノンスタンドアローン(NSA)が規定されており、韓国の移動体通信事業者はすべてNSAを採用し、Samsung Galaxy S10 5GはNSAのみに対応している。
3GPPではSAまたはNSA、コアネットワークがEPCまたは5GCなど、それぞれに応じてNR方式の収容に関する複数のRANアーキテクチャオプションが策定されている。
NSAを採用する場合、導入初期はほとんどの移動体通信事業者がLTEのEPCに収容するOption 3を採用し、韓国の移動体通信事業者も例外ではないと思われる。
Option 3ではLTEを提供する基地局であるeNBがMN、NRのNSA向けRANでNRを提供する基地局であるen-gNBがSNとなる。
NRの利用にはLTE常時接続が前提で、LTEとNRのデュアルコネクティビティ(EN-DC)が動作時にNRで通信できる。
LTEがプライマリでNRがセカンダリのようなイメージで考えているが、EN-DCのプライマリとして機能できるLTEはアンカーバンドとも呼ばれている。
アンカーバンドとして機能できるLTEについては、便宜上ここではeLTEと表記する。
ここでアンテナピクトの話題に戻すと、5G (白地)の表示は5Gネットワークを含むLTEネットワークに接続時という説明であるが、5Gネットワークを含むLTEネットワークには2つの可能性が考えられる。
まず1つ目はNRのカバレッジに関係なくeLTE接続時、2つ目はeLTE接続時かつNRのカバレッジを検出時である。
とにかく、NR接続時ではなくとも、eLTE接続時であれば5Gと表示する場合があると推測できる。
ちなみに、4Gや5Gは世代、LTEやNRは通信規格の名称であり、アンテナピクトには世代と通信規格の名称が混在することになる。
4Gと書くならば5G、LTEと書くならばNRと書くべきと思ったこともあるが、eLTEとNRの組み合わせで5Gとする考え方もある。
また、その考え方であれば、NR接続時とは区別しつつ、eLTE接続時でも5Gと表示するという判断になるのかもしれない。
どの状態で5Gと表示するかに関しては移動体通信事業者や携帯端末メーカーの考え方によって異なると思われ、5Gの商用化が進む中で今後の動向も注視したい。
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