日本政府が韓国に制裁発動、スマホ向け有機ELの材料も輸出規制
- 2019年07月01日
- その他モバイル端末
経済産業省(Ministry of Economy, Trade and Industry:METI)は韓国向けの輸出管理の運用を見直すと発表した。
輸出管理制度は国際的な信頼関係を土台に構築されるが、関係省庁で検討を実施した結果、日韓間の信頼関係が著しく損なわれ、韓国との信頼関係に基づいた輸出管理の取り組みが困難となり、韓国関連の輸出管理で不適切な事案も発生したという。
そのため、外国為替及び外国貿易法(以下、外為法)に基づく輸出管理を適切に実施する観点から、韓国向けの輸出に対して厳格な制度の運用を行うと案内している。
韓国向けの輸出管理の運用の見直しは大きく分けて2点となる。
1点目は韓国に関する輸出管理上のカテゴリの見直しとなり、いわゆるホワイト国を指す外為法輸出貿易管理令別表第3の国から韓国を削除するための政令改正に関する意見募集の手続きを2019年7月1日より開始する。
2点目は特定品目の包括輸出許可から個別輸出許可への切り替えとなり、2019年7月4日からフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の韓国を仕向地とする輸出や関連する製造技術の移転を包括輸出許可制度の対象から除外し、個別に輸出許可申請を要求して輸出審査を行う。
韓国のホワイト国からの除外は最終決定ではないが、2019年7月1日から意見募集の手続きを開始し、寄せられた意見を踏まえて最終決定を下す。
ホワイト国には主に国家安全保障上の友好国が指定されており、アルゼンチン、豪州、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、韓国、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国が含まれる。
仮に韓国がホワイト国から除外となれば、ホワイト国から除外される初の事例となり、韓国向けの対象品目の輸出には厳格な審査と許可の取得が必要となる。
また、2019年7月4日から包括輸出許可制度の対象から除外する品目に関して、フッ化ポリイミドはスマートフォンなどの有機ELディスプレイに使用される材料で、レジストやフッ化水素は半導体の製造に必要な物質である。
フッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の生産量は日本が世界最多で、特にレジストとフッ化水素の生産量の占有率は高いため、韓国の半導体や関連業界に大きな影響を及ぼす可能性がある。
韓国向けの輸出管理の運用の見直しは、日本政府による韓国に対する事実上の制裁措置となる。
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