ドバイメトロのエティサラット駅を訪問、Etisalatのしたたかな戦略
- 2019年12月29日
- Report
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに渡航してドバイメトロに乗車したが、その際に企業ブランドを冠したいくつかの駅が存在することに気づいた。
ドバイ政府の道路交通局(Roads and Transport Authority:RTA)が運営するドバイメトロはGreen LineとRed Lineの2路線を営業しているが、このうちGreen Lineの駅のひとつにエティサラット駅が存在する。
エティサラットはアラビア語で電気通信を意味する単語でもあるが、エティサラット駅のエティサラットはアラブ首長国連邦最大手の移動体通信事業者(MNO)であるEmirates Telecommunications Corporationの企業ブランドであるEtisalatを冠している。
このエティサラット駅を訪問してみたが、周囲にEmirates Telecommunications Corporationの事業拠点があるわけでもなく、そもそも商業施設などもほとんどない閑散とした駅であった。
なお、Emirates Telecommunications Corporationの本社はドバイではなく首都・アブダビに所在しており、Emirates Telecommunications Corporationのドバイ本部はGreen LineとRed Lineの乗換駅であるユニオン駅の近くに位置する。
当初、エティサラット駅はアル・クサイス駅として開業する計画であったが、開業に先立ちEmirates Telecommunications Corporationが命名権を獲得し、エティサラット駅と命名することが決まった。
2011年9月10日より商業運用を開始している。
一見すると利用者数が少なそうな駅で、それは間違いないと思われるが、Emirates Telecommunications Corporationが命名権を獲得した背景として終点駅であることが挙げられる。
命名権を獲得している場合は、駅名の命名のほかにブランドロゴの掲出まで認められている。
車内放送や路線図では終点駅が省略されることはなく、ドバイメトロの利用者に自社ブランドを周知するためには効率がよい。
余談ではあるが、Red Lineの終点駅であるUAEエクスチェンジ駅も企業が命名権を取得した駅である。
ドバイメトロ、特にGreen Lineに乗車すると多くの乗客がEtisalatのブランド名を目にするか、耳にすることになる。
エティサラット駅はEmirates Telecommunications Corporationの拠点とは関係ない閑散とした駅であるが、そんな駅の命名権を獲得した背景には効率的に自社ブランドを宣伝するためのしたたかな戦略があると言える。
スポンサーリンク
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。