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MEA版のHUAWEI Mate 20 X (5G)でアンテナピクトの5G表示をチェック



サウジアラビア(KSA)とアラブ首長国連邦(UAE)で中国のHuawei Technologies (華為技術)製のスマートフォン「HUAWEI Mate 20 X (5G)」を用いて第5世代移動通信システム(5G)を試した。

どのような状態でアンテナピクトが5G表示になるのか、簡単にチェックしてみた。

なお、筆者が用いたHUAWEI Mate 20 X (5G)は型番がEVR-N29で、筆者自身がKSA国内の正規取扱店で購入しており、ソフトウェアはKSAやUAEを含めた中東およびアフリカ向けのMEA版となる。

KSAでは首都・リヤドにおいて同国最大手の移動体通信事業者(MNO)でstcブランドを展開するSaudi Telecom Company、UAEでは首都・アブダビ、ドバイ、シャルジャにおいて同国最大手の移動体通信事業者でEtisalatブランドを展開するEmirates Telecommunications Corporationの5Gサービスを使用した。

Saudi Telecom CompanyおよびEmirates Telecommunications Corporationはいずれも5Gの通信方式として標準化団体の3GPP (3rd Generation Partnership Project)で5Gの要求条件を満たすために規定されたNRを導入している。

NRにはNRが単独で動作するスタンドアローン(SA)構成と、LTEと連携して動作するノンスタンドアローン(NSA)構成が規定されており、Saudi Telecom CompanyおよびEmirates Telecommunications CorporationはNSA構成でLTEのEPCに収容するOption 3で運用する。

Option 3ではLTEを提供する基地局のeNBがマスターノード、NSA構成向けRANでNRを提供する基地局のen-gNBがセカンダリノードとなるため、NRの接続にはLTEへの常時接続が必要で、この常時接続するLTEがアンカーバンドと呼称される。

アンカーバンドのLTEとNRの同時通信を実現する技術がE-UTRA-NRデュアルコネクティビティ(EN-DC)で、アンカーバンドのLTEに接続かつEN-DCが機能してようやくNRでデータ通信できる。

なお、以下からアンカーバンドとして機能するLTEをeLTEと表記する。

一部の機種ではNRでデータ通信していなくともアンテナピクトが5G表示となることが分かっている。

eLTEとNRで同時通信している場合は必ず5G表示となるが、機種によってeLTEに接続時でNRのカバレッジを検出していない場合、eLTEに接続時でNRのカバレッジを検出している場合、いずれも5G表示となることがある。

HUAWEI Mate 20 X (5G)でSaudi Telecom Companyの5Gサービスを試したところ、アイドル状態でeLTEに接続時かつNRのカバレッジを検出していない場合は4G/4G+表示で、eLTEに接続時かつNRのカバレッジを検出すると5G表示に切り替わるように見受けられた。



NRのカバレッジを検出している状態 (リヤド)

ネットワークの状態を確認すると、モバイルネットワークタイプの項目はeLTEに接続時でNRのカバレッジを検出していない場合はアンテナピクトと同様に4G/4G+となり、NRのカバレッジを検出するとLTE; NRに切り替わった。

また、電波強度はeLTEに接続時でNRのカバレッジを検出していない場合は当然ながらeLTEの電波強度のみを1段で表示し、NRのカバレッジを検出すると2段表示に切り替わり、LTEとNRが個別に表示されるようになる。

なお、ネットワークの状態でNRのカバレッジを検出時に表示されるLTEはアンカーバンドのeLTEを指す。

NRアンテナに接近してから遠ざかると、NRのRSRPが-140dBmになるまでアンテナピクトは5G表示が維持され、NRのカバレッジを完全に失った瞬間に4G/4G+となった。

ただ、NRのカバレッジを検出時でアンテナピクトが5G表示の状態でも必ずしもNRで通信しているとは限らない。

移動体通信事業者によってパラメータの設定値が異なると思われるが、RSRPやSINRなど品質が一定条件を満たしていなければNRでデータ通信しない模様で、NRの品質が良好でなければNRのカバレッジを検出して5G表示でもeLTEのみでデータ通信することになる。

eLTEのみでデータ通信時も5G表示になる件は賛否両論あるかもしれないが、NRのカバレッジを検出すると5G表示となり、NRの電波強度を参照してNRアンテナの設置場所を特定できたケースが非常に多いため、筆者個人としては悪くないと感じた。

NRでデータ通信時のみ5G表示を採用するならば、アイドル状態では5G表示にならず、また加入者に5Gサービスのエリアを非常に狭く感じさせることになると思われるため、NRのカバレッジを検出すれば5G表示にする判断は個人的には許容したいと思う。

音声通話はeLTE/LTE上で行うVoLTEを利用できたが、VoLTEを利用時はアイドル状態と同様にNRのカバレッジを検出していなければ4G/4G+表示、NRのカバレッジを検出時は通話中も5G表示が維持された。

これらの動作はEmirates Telecommunications Corporationの5Gサービスにおいても同様であった。

eLTEに接続時でNRのカバレッジを検出していない場合でもSIB2のupperLayerIndication-r15で判断して5G表示となる機種も存在するが、少なくともMEA版のHUAWEI Mate 20 X (5G)はそうではないと思われる。

日本の移動体通信事業者は2020年春にNRを商用化する計画で、2020年春からは日本でもNRを利用できることになる。

スマートフォンをはじめとしたNRに対応した携帯端末に関して、日本の移動体通信事業者が販売する機種はアンテナピクトの表示基準が統一される可能性が高いが、オープンマーケットで販売される機種や日本国外から持ち込まれた機種では表示基準が異なる場合もある。

日本に限らずアンテナピクトが5G表示でもNRでデータ通信していない場合があるということは気に留めておきたい。

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