サウジアラビアのプリペイドSIMは1枚に制限、指紋登録も必須
- 2019年12月29日
- Report
サウジアラビアでは外国人に対するプリペイドSIMカードの開通が1枚に制限されていることを確認した。
サウジアラビアの移動体通信事業者(MNO)はstcブランドを展開するSaudi Telecom Company、Mobilyブランドを展開するEtihad Etisalat Company、Zainブランドを展開するMobile Telecommunication Company Saudi Arabiaの3社が存在するが、3社それぞれ1枚ずつではなく、3社を通して1枚のみに制限されている。
余談ではあるが、GOブランドを展開するEtihad Atheeb Telecommunicationがサウジアラビアで第4の移動体通信事業者として参入するために周波数オークションで周波数を落札したが、期限までに支払えず新規参入の計画が流れた。
サウジアラビアでは同国からみて外国人のプリペイドSIMカードの開通は本人確認書類として旅券もしくは長期滞在する外国人向けの滞在許可証にあたるイカーマの提示を認めている。
筆者はサウジアラビアの首都・リヤドに渡航し、Saudi Telecom Companyのブランチで旅券を提示してSaudi Telecom CompanyのプリペイドSIMカードを開通したが、その後にEtihad Etisalat CompanyおよびMobile Telecommunication Company Saudi Arabiaのブランチでは制限の影響でプリペイドSIMカードを開通できないと説明を受けた。
旅券を提示する場合は、プリペイドSIMカードの開通が3社を通して1枚に制限されているため、新たに開通するためには先に開通済みのプリペイドSIMカードを無効化する必要があるという。
このような制限の存在は事前に耳にしていたため、筆者は最も優先度が高いSaudi Telecom Companyを最初に開通していた。
サウジアラビアでは全社を同時に開通できない点は残念であるが、サウジアラビアで過去に発生した事案を考慮すると、保安上の観点からプリペイドSIMカードを制限する措置は仕方ないと感じる。
参考までに、イカーマでもプリペイドSIMカードは1枚が上限とのことで、外国人が開通できるプリペイドSIMカードは合計で2枚が上限となる模様である。
サウジアラビア人の場合は10枚までプリペイドSIMカードを開通できるほか、ポストペイドSIMカードは外国人駐在員が5枚まで、サウジアラビア人が10枚までとなる。
サウジアラビアでは本人確認書類の提示に加えて、指紋の登録も義務化している。
プリペイドSIMカードを開通する場合は、指紋を登録する装置が配備されたブランチまたはキオスクを訪問する必要がある。
指紋の登録に係る手数料は発生しない。
サウジアラビアの主要な国際空港には3社ともブランチまたはキオスクを出店し、指紋を登録する装置も配備しているため、空路で入国かつ移動体通信事業者を問わないならばプリペイドSIMカードの開通には困らない。
外国人にとって公共交通機関の利用が容易とは言い難いサウジアラビア国内の移動はCareemやUberが便利であるが、到着後にプリペイドSIMカードを開通しておくと、UberやCareemを活用してより円滑に旅を楽しめると思われる。
なお、筆者はSaudi Telecom CompanyのプリペイドSIMカードを開通することを事前に決めてリヤドに渡航し、キング・ハーリド国際空港(RUH)のターミナル2に到着したが、ターミナル2のブランチは改装のため営業休止中で、ターミナル5のブランチに移動すると指紋を登録する装置が動作せず、キング・ハーリド国際空港では開通できなかった。
Saudi Telecom CompanyおよびMobile Telecommunication Company Saudi ArabiaではプリペイドSIMカードでも第5世代移動通信システム(5G)を利用できる。
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Saudi Telecom Companyのブランチに設置された指紋登録装置
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