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Sprintの初期5Gスマホは順次5G利用不可に、発売から1年足らず



米国の移動体通信事業者(MNO)であるSprintは第5世代移動通信システム(5G)に対応した複数の端末で5Gの利用が不可となることを明らかにした。

SprintはTrue Mobile 5Gとして5GのNR方式に準拠した5Gサービスを2019年5月31日に商用化した。

True Mobile 5Gに対応した端末としては商用化の2019年5月31日に韓国のLG Electronics製のLG V50 ThinQ 5Gおよび台湾のHTC (宏達国際電子)製のHTC 5G Hubを発売したほか、2019年6月21日に韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)製のSamsung Galaxy S10 5G、2019年8月27日に中国のOnePlus Technology (Shenzhen) (深圳市万普拉斯科技)製のOnePlus 7 Pro 5G、2020年3月6日にSamsung Electronics製のSamsung Galaxy S20 5G、Samsung Galaxy S20+ 5G、Samsung Galaxy S20 Ultra 5Gを発売した。

しかし、2019年中に発売したLG V50 ThinQ 5G、HTC 5G Hub、Samsung Galaxy S10 5G、OnePlus 7 Pro 5GはTrue Mobile 5Gの利用が不可となる予定である。

Sprintは米国のT-Mobile USとの合併の完了に伴いT-Mobile USの完全子会社で米国の移動体通信事業者であるT-Mobile USAの完全子会社となり、T-Mobile USAはSprintが保有する周波数の再編に着手している。

Sprintは2.5GHz帯をNR方式および第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式で使用しているが、T-Mobile USAはNR方式でSprintの2.5GHz帯を活用する方針を明確化している。

Sprintは多くの都市で120MHz幅の2.5GHz帯を保有しており、True Mobile 5Gを導入した都市では60MHz幅をLTE方式に残してNR方式に転用した。

SprintのNR方式はSprintのLTE方式と連携して動作するよう設計されているため、T-Mobile USAが2.5GHz帯でNR方式を導入するためには、SprintのNR方式をそのまま利用することができず、T-Mobile USAのLTE方式と連携して動作するよう新規に整備する必要がある。

Sprintの顧客の多くはLTE方式を利用しているため、LTE方式の60MHz幅をT-Mobile USA向けに転用することは難しく、SprintのNR方式、すなわちTrue Mobile 5Gを停波してT-Mobile USA向けに転用することになった。

NR方式はLTE方式と連携して動作するノンスタンドアローン(NSA)構成で運用するため、アンカーバンドとして機能するLTE方式への常時接続が必要となる。

2.5GHz帯のNR方式はSprintとT-Mobile USAいずれもn41で変わりないが、アンカーバンドはSprintがBand 41で運用しており、T-Mobile USAはBand 2またはBand 66で運用する。

NSA構成ではE-UTRA-NRデュアルコネクティビティ(EN-DC)が機能してアンカーバンドとNR方式が同時通信することになるが、2019年に発売したTrue Mobile 5Gに対応した端末は一部の機種はBand 26も、基本的にはBand 41がアンカーバンドとなる組み合わせのEN-DCのみに対応する。

そのため、T-Mobile USAがn41を導入してもT-Mobile USAが導入するEN-DCの組み合わせに対応しないため、T-Mobile USAのn41は利用できない。

T-Mobile USAによるn41の導入はSprintのn41の停波を前提とするため、T-Mobile USAがn41を導入すれば2019年に発売したTrue Mobile 5Gに対応した端末ではn41を使えなくなる。

なお、T-Mobile USAのNR方式はミリ波のn260およびn261、1GHz帯未満の600MHz帯を使用したn71も導入している。

Sprintが発売したSamsung Galaxy S10 5GはT-Mobile USA向けのSamsung Galaxy S10 5Gとハードウェアを共通化しているため、T-Mobile USAのn71こそ非対応であるが、エリアが極めて限定的ながらn260およびn261を利用できるようになる予定である。

ただ、LG V50 ThinQ 5G、HTC 5G Hub、OnePlus 7 Pro 5Gはn260、n261、n71いずれも非対応であるため、T-Mobile USAがn41を導入すれば5G自体の利用が不可となる。

True Mobile 5Gは2019年5月31日にジョージア州アトランタ、テキサス州ダラス・フォートワース複合都市圏、テキサス州ヒューストン、ミズーリ州カンザスシティで導入し、2019年7月11日にイリノイ州シカゴ、2019年8月27日にカリフォルニア州ロサンゼルス、ニューヨーク州ニューヨーク市、アリゾナ州フェニックス、首都・ワシントンD.C.を追加したが、2019年9月以降は提供都市を拡大していない。

T-Mobile USAはすでにペンシルベニア州フィラデルフィアでn41を導入したが、フィラデルフィアはTrue Mobile 5Gを導入していない都市であるため、True Mobile 5Gに影響を与えることはない。

T-Mobile USAはすべての都市で一斉にn41を導入するわけではないが、次は2019年8月27日にTrue Mobile 5Gを導入したニューヨーク市で2020年5月にn41を導入する計画であるため、ニューヨーク市では導入から8~9ヶ月と1年足らずの早いタイミングでTrue Mobile 5Gを順次停波し、LG V50 ThinQ 5G、HTC 5G Hub、OnePlus 7 Pro 5Gでは5Gを使えなくなる。

Sprintの広報担当者は「Sprintの第1世代5G端末はT-Mobileの全国的な600MHz帯の5Gにアクセスできません。これらの端末を使用する顧客は引き続きSprintの2.5GHz帯の5Gを利用可能で、2.5GHz帯がSprintからT-Mobileに移動する際に、事前にこれらの端末を使用する顧客に通知して交換用端末を提供します。この情報の詳細はT-Mobileの広報担当者に照会してください。」と述べており、Sprintは影響を受ける顧客に通知するとともに、T-Mobile USAが対応措置を講じる模様である。

Sprint

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