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北朝鮮のkoryolink、2019年はOIHから各種調達が大幅減少

  • 2020年10月06日
  • DPRK


朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の移動体通信事業者(MNO)でkoryolink (高麗リンク/高麗網)として展開するCHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社)は2019年通期にエジプトのOrascom Investment Holding (OIH)から各種調達が大幅に減少したことが分かった。

Orascom Investment Holdingは2019年12月31日に終了した12ヶ月間となる2019年通期において、CHEO Technology JV Companyに対して直接的に40,000米ドル(約4,226,000円)に相当する役務および商品を販売した。

2018年通期は378,000米ドル(約39,938,000円)であるため、前年同期比で89.4%と約9割の大幅な減少を記録したことになる。

なお、CHEO Technology JV Companyに対するコンサルティングの提供およびCHEO Technology JV Companyからの役務および商品の購入は2018年通期と同様にまったく行われていない。

これまでに、Orascom Investment Holdingは米国政府、欧州連合(European Union:EU)、国際連合(United Nations:UN)を含めた各国政府および各機関が発動した北朝鮮関連の国際的な制裁措置の強化に伴いCHEO Technology JV Companyの運営に困難が生じ、モバイルネットワークの運用、維持、開発に必要な各種輸出入が制限されていることを公表している。

また、Orascom Investment HoldingはCHEO Technology JV Companyに関する取引では米ドル(USD)を使用しているが、米国政府が発動した制裁措置の強化を受けて各種支払を含めた米ドルの取り扱いも困難な状況を認めている。

このように輸出入や米ドルの取り扱いが困難な状況はCHEO Technology JV CompanyによるOrascom Investment Holdingからの各種調達が大幅に減少した主要な要因のひとつと考えられる。

CHEO Technology JV CompanyはOrascom Investment Holdingと北朝鮮の政府機関で電気通信分野などの規制を司る逓信省(Ministry of Posts and Telecommunications:MPT)が完全所有する国営のKorea Posts and Telecommunications Corporation (朝鮮逓信会社:KPTC)が設立した合作企業で、持分比率はOrascom Investment Holdingが75%、Korea Posts and Telecommunications Corporationが25%となっている。

Orascom Investment Holdingを通じた各種調達は基本的に第3世代移動通信システム(3G)のW-CDMA方式に準拠したモバイルネットワークの運用、維持、開発に関連した役務および商品となる。

2009年までは携帯電話をはじめとする携帯端末もOrascom Investment Holdingを通じて調達していたが、2010年以降はKorea Posts and Telecommunications Corporationを通じて調達しているため、Orascom Investment Holdingとしては携帯端末の供給で直接的な関与は終了している。

国際連合安全保障理事会(United Nations Security Council)は2017年9月11日に全会一致で決議第2375号(2017)を採択し、北朝鮮の個人や事業体と維持および運営する既存の合弁事業は原則として採択から120日以内に閉鎖するよう決定した。

CHEO Technology JV Companyの事業も対象の合弁事業に含まれ、継続には決議第1718号(2006)に基づき設立された1718委員会に免除の申請を行い、審査を経て免除の承認を受ける必要があり、申請が却下となれば却下日から120日以内に閉鎖する必要が生じていた。

Orascom Investment Holdingはエジプトの政府機関である投資・フリーゾーン庁(General Authority For Investment and Free Zones)を通じて免除の申請を行い、1718委員会はCHEO Technology JV Companyの事業を公共性が高い重要なインフラストラクチャとして機能する電気通信事業者と認定して免除を承認することになった。

そのため、Orascom Investment HoldingとしてはCHEO Technology JV Companyの事業を継続することができる。

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