ソフトバンクのAQUOS sense5G (A004SH)で楽天モバイル5Gを利用可能
- 2021年05月10日
- Report
SoftBankが発売したSHARP製のスマートフォン「AQUOS sense5G (A004SH)」でRakuten Mobile (楽天モバイル)が提供する第5世代移動通信システム(5G)を利用できることを確認した。
Rakuten Mobileは5Gの無線方式としてNR方式を導入しており、周波数はサブ6GHz帯の3.7GHz帯およびミリ波(mmWave)の28GHz帯を使用する。
NR Bandは3.7GHz帯がFR1のn77、28GHz帯がFR2のn257となる。
n77はSoftBankも導入しているため、AQUOS sense5G (A004SH)はn77に対応している。
なお、世界で最初にn77を商用化した移動体通信事業者(MNO)がSoftBankである。
Rakuten Mobileではn77に対応した端末でも5Gを利用できない機種が存在するため、AQUOS sense5G (A004SH)で確認することにした。
Rakuten Mobileは第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式と連携して動作するノンスタンドアローン(NSA)構成のOption 3でNR方式を運用しており、Option 3ではアンカーバンドとして機能するLTE方式に常時接続が必須で、E-UTRA-NRデュアルコネクティビティ(EN-DC)が動作してLTE方式とNR方式で同時通信する。
LTE方式の周波数は1.8GHz帯で、LTE BandはBand 3であるため、Rakuten Mobileが運用するn77を含むEN-DCの組み合わせはDC_3A_n77Aの1種類となる。
DC_3A_n77AはSoftBankでも運用しているため、AQUOS sense5G (A004SH)でも対応している。
EN-DCの組み合わせは問題ないため、実際にRakuten Mobileの5Gの提供エリアでAQUOS sense5G (A004SH)の動作を確認したところ、すぐにアンテナピクトが5G表示に切り替わり、通信速度を測定すると下りは1ヶ所目で500Mbps前後、2ヶ所目で700Mbps前後を記録した。
Rakuten MobileのLTE方式は通信速度の理論値が下り最大400Mbps/上り最大75Mbpsであるため、通信速度からn77で通信していることが分かる。
NR方式で通信できなくともアンカーバンドのSIB2に設定されるupperLayerIndication-r15で判断して待機時にアンテナピクトが5G表示となり、通信時は4G表示に切り替わる機種が存在するが、AQUOS sense5G (A004SH)ではRakuten Mobileのn77を利用できるため、通信時も5G表示が維持された。
検証時のソフトウェアのビルド番号はS0015である。
Rakuten MobileはLTE方式で4×4 MIMOを導入しているが、AQUOS sense5G (A004SH)はEN-DCで同時通信時にLTE方式では4×4 MIMOを利用できず、通信速度の理論値が遅くなることは留意しておきたい。
原則として5Gの検証は公式に対応した機種を使用したいため、Rakuten Mobileの5Gを検証する目的で中国のZTE (中興通訊)製のRakuten BIG (ZR01)を所有しているが、様々な機種の間で頻繁に物理的なSIMカードを入れ替える筆者にとって、Rakuten BIG (ZR01)はeSIMを採用する点が少々面倒に思う。
eSIMはすぐに発行できるが、eSIMに切り替えると物理的なSIMカードに戻す場合は新たな物理的なSIMカードの配送を待つ必要があるため、物理的なSIMカードで簡易的にRakuten Mobileの5Gを利用できる機種を所有しておきたいと考えている。
SoftBankの5Gを検証する目的でAQUOS sense5G (A004SH)を購入したが、開局状況の確認など物理的なSIMカードでRakuten Mobileの5Gを試す場合も活用する方針である。
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