シンガポールで2.1GHz帯を3Gと5Gに再割当へ、意見募集を実施
- 2021年07月28日
- 海外携帯電話
シンガポールの政府機関で電気通信分野などの規制を司る情報通信メディア開発庁(Info-communications Media Development Authority:IMDA)は2021年12月31日に満期を迎える2.1GHz帯の周波数に関して第3世代移動通信システム(3G)および第5世代移動通信システム(5G)向けに再割当する計画を発表した。
シンガポールでは2001年に3G周波数使用権、2010年に3G周波数使用権(2010)として2.1GHz帯の割当を行い、いずれも2021年12月31日に満期を迎える。
3G周波数使用権は2001年4月23日に効力が発生しており、シンガポールの移動体通信事業者(MNO)であるSingtel Mobile SingaporeがSingapore Telecom Mobileの時代に1935.1~1950.1MHzおよび2125.1~2140.1MHz、シンガポールの移動体通信事業者であるM1 (第一通)がMobileOne (Asia)の時代に1950.1~1964.9MHzおよび2140.1~2154.9MHz、シンガポールの移動体通信事業者であるStarHub Mobileが1920.0~1935.1MHzおよび2110.3~2125.1MHzを取得している。
3G周波数使用権(2010)は2010年11月1日に効力が発生しており、Singtel Mobile Singaporeが1969.9~1974.9MHzおよび2159.9~2164.9MHz、M1が1964.9~1969.9MHzおよび2154.9~2159.9MHz、StarHub Mobileが1974.9~1979.7MHzおよび2164.9~2169.7MHzを追加で割当を受けることになった。
なお、3G周波数使用権では1.9GHz帯の割当も同時に行われ、1.9GHz帯も2021年12月31日に満期を迎えるが、1.9GHz帯の再割当は別の機会に検討する。
2.1GHz帯の満期まで半年未満となる中で、情報通信メディア開発庁は2.1GHz帯の再割当に係る案を公表した。
シンガポールでは2021年4月時点で全体の8%に近い約70万件が3G契約で、約150万台の端末が3Gを利用中である。
主に高齢者、外国人労働者、運輸事業者、医療機関などが3Gを利用しており、さらに国際ローミングの受け入れも考慮して、3Gは維持する必要があるという。
ただ、技術の発展を考慮すると5Gで周波数を使用することが最良かつ最も効率的と認識している。
そこで、2.1GHz帯は3Gおよび5Gに再割当することになった。
2.1GHz帯では1920.0~1980.0MHzおよび2110.0~2170.0MHzの60MHz幅を確保しており、1枠あたり5MHz幅*2の12枠に分けて割当を行う。
原則として5GのNR方式のスタンドアローン(SA)構成を整備する必要があるが、必要最小限の5MHz幅*2で3GのW-CDMA方式の維持を可能とする。
割当の対象はシンガポールの既存の移動体通信事業者であるSingtel Mobile Singapore、M1、StarHub Mobile、TPG Telecomに限定しており、新規参入は受け入れない。
屋外の面積カバー率を基準として5Gの整備義務も規定しており、5G向け周波数として3.5GHz帯を取得した移動体通信事業者には3.5GHz帯の整備義務を適用し、2.1GHz帯と3.5GHz帯を組み合わせて2025年12月31日までに95%以上とする必要がある。
3.5GHz帯の取得に失敗した移動体通信事業者は2.1GHz帯の再割当から2年以内に50%、5年以内に95%以上とすることを条件に定める。
2.1GHz帯の再割当に関する詳細な規則は公表しておらず、改めて案内する予定である。
案に関しては2021年7月26日から2021年8月16日の12時(シンガポール標準時)まで意見募集を実施している。
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