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シンガポールの携帯電話事業者M1、True 5GとしてSA構成とVoNRを提供開始



シンガポールの移動体通信事業者(MNO)であるM1 (第一通)はTrue 5Gの提供を開始した。

第5世代移動通信システム(5G)の無線方式であるNR方式の無線アクセスネットワーク(RAN)構成には単独で動作するスタンドアローン(SA)構成および第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式と連携して動作するノンスタンドアローン(NSA)構成が規定されている。

M1は2020年9月25日よりトライアルとして5Gを提供しているが、RAN構成はNSA構成で運用してきた。

しかし、2021年7月27日にSA構成を導入しており、SA構成の導入に伴いTrue 5Gとして展開することになった。

NSA構成ではアンカーバンドとして機能するLTE方式でVoLTE (Voice over LTE)による音声通話を提供してきたが、SA構成ではNR方式でVoNR (Voice over NR)による音声通話の提供も開始した。

まずは韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)製の一部のスマートフォンがSA構成およびVoNRに対応している。

5Gの提供エリアは2021年7月時点で面積カバー率が50%で、2021年12月には75%、2022年12月には99%まで拡大する計画である。

シンガポールの政府機関で電気通信分野などの規制を司る情報通信メディア開発庁(Info-communications Media Development Authority:IMDA)は5G向け周波数の割当の条件として整備義務を設定しており、面積カバー率は2022年12月31日時点で75%以上、2024年12月31日時点で95%以上を条件とする。

M1は情報通信メディア開発庁が設定した整備義務よりも早期に5Gの整備を進めていることになる。

NR方式の周波数はサブ6GHz帯の2.1GHz帯および3.5GHz帯を使用しており、NR Bandは2.1GHz帯がFR1のn1で、3.5GHz帯がFR1のn78となる。

2.1GHz帯は第3世代移動通信システム(3G)のW-CDMA方式で使用していた周波数の一部を転用しているが、2021年12月31日に周波数の使用権の満期を迎える。

情報通信メディア開発庁は3Gの維持および5Gの拡大のために既存のシンガポールの移動体通信事業者に対して2.1GHz帯を再割当する意向を示している。

3.5GHz帯はシンガポールの移動体通信事業者であるStarHub Mobile (星和移動)と共同で5G向け周波数として取得した周波数で、M1とStarHub Mobileが共同で設立したシンガポールのAntinaを通じてRANを整備する。

情報通信メディア開発庁は5G向け周波数を使用して5Gを商用化するための条件としてSA構成の実装を規定しており、M1は5G向け周波数で5Gを商用化するための条件を満たしたことになる。

SA構成の安定した動作を確認後に5Gを正式に商用化すると思われる。

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