サムスン電子、半導体不足とベトナムの状況がスマホ事業に影響
- 2021年08月02日
- Android関連
韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)は部品の供給不足およびベトナムの状況がスマートフォンの設計、製造、販売をはじめとする携帯端末事業に影響を与えたことを業績説明会で認めた。
Samsung Electronicsは2021年6月30日に終了した3ヶ月間となる2021年第2四半期の業績を発表しており、IT&Mobile Communications部門の無線事業の業績も判明した。
2021年第2四半期の無線事業の売上高は前年同期比8.2%増、前期比24.0%減の21兆4,300億韓国ウォン(約1兆9,994億円)である。
前年同期比では増加したが、前期比では大幅に減少する結果となった。
Samsung Electronicsは業績報告では携帯端末事業を無線事業として分類および掲載しており、無線事業の業績は携帯端末事業の業績となる。
Samsung Electronicsは前期比で大幅に減少した背景を説明しており、オフシーズンに伴う需要の減少、部品の供給不足、ベトナムの製造拠点の稼働制限が主な理由という。
2021年1月29日にフラッグシップのスマートフォンを発売しており、新機種の発売に伴う効果は2021年第1四半期の業績に反映されたため、2021年第2四半期は需要が落ち着いた。
部品の供給不足は主に半導体不足を意味する模様で、世界的な半導体不足の中でスマートフォンの製造に必要な半導体を十分に調達できず、製造台数は当初の計画値を下回ったと思われる。
Samsung Electronicsはスマートフォンの主要な製造拠点をベトナムの北部に開設しているが、2021年第2四半期はベトナムの製造拠点で稼働率の低下が発生した。
ベトナムではバクニン省イエンフォン工業団地でベトナムのSamsung Electronics Vietnam、タイグエン省イエンビン工業団地でベトナムのSamsung Electronics Vietnam Thai Nguyenを通じてスマートフォンやタブレットなどの携帯端末を製造する工場を所有および運営する。
なお、Samsung Electronics VietnamおよびSamsung Electronics Vietnam Thai NguyenはいずれもシンガポールのSamsung Asiaを通じて所有する完全子会社である。
ベトナムに所在する工場では従業員間の距離を確保して運営したため、従来の稼働率を維持できなくなった。
また、主要な工業団地の封鎖に伴い工場の敷地内で寝食できる体制を整備する必要が生じたほか、バクニン省当局は封鎖した工業団地では15日単位で従業員を交代させるガイドラインを発行するなど、通常時とは異なる運営を余儀なくされた。
Samsung Electronicsは2020年通期を基準としてベトナムの2ヶ所の工場では全体の約60%に相当するスマートフォンを製造したと推定しており、Samsung Electronicsにとって最大の製造拠点がベトナムの北部となっている。
日本向けのスマートフォンも基本的にベトナムで製造している。
最大の製造拠点で十分にスマートフォンを製造できない状況が発生し、製造台数は当初の計画値を下回り、最終的に販売台数も減少して2021年第2四半期の業績に反映されたと考えられる。
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