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Smartphone for Snapdragon Insidersで日本の5Gを試す



台湾のASUSTeK Computer (華碩電脳)の日本法人であるASUS JAPANはスマートフォン「Smartphone for Snapdragon Insiders (EXP21 Smartphone)」を日本で発売した。

日本では2021年9月25日より販売を開始しており、日本の移動体通信事業者(MNO)が提供する第5世代移動通信システム(5G)を試すことにした。

まずはNTT DOCOMOの5Gを試したところ、5Gのエリアでアンテナピクトの表示は5Gとなるが、データ通信を開始すると4G++に切り替わり、5Gを利用できなかった。

5Gの無線方式はNR方式を採用しており、無線アクセスネットワーク(RAN)構成は第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式と連携して動作するノンスタンドアローン(NSA)構成のOption 3で運用している。

NSA構成のOption 3ではアンカーバンドとして機能するLTE方式への常時接続が必須で、待機時はNR方式に接続しておらず、データ通信を開始するとE-UTRA-NRデュアルコネクティビティ(EN-DC)を適用してNR方式とLTE方式で同時通信を行う。

NTT DOCOMOはアンカーバンドとして機能できるLTE方式のSIB2にupperLayerIndication-r15を設定しているため、アンカーバンドとして機能できるLTE方式で待機時は5Gと表示したが、データ通信を開始後はNR方式でデータ通信していないため、4G++に切り替わったと考えられる。

検証場所はFR1のn79で5Gを整備しており、無線装置はアンテナ分離型でFUJITSU (富士通製)である。

米国(アメリカ)のApple製のiPhone 13 Proおよび韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)製のGalaxy S21 Ultra 5G SC-52Bではn79でデータ通信し、下りの通信速度は1Gbps超を記録したため、5Gは正常に運用されていた。

余談ではあるが、日本の移動体通信事業者が正規に販売する5Gに対応した携帯端末はアンカーバンドとして機能できるLTE方式で待機時は5Gと表示し、データ通信を開始後にNR方式でデータ通信している場合は5Gの表示を維持、NR方式でデータ通信しない場合は4Gまたは4G+に切り替わる仕様を採用している。

Smartphone for Snapdragon Insidersには4G++の表示も存在するが、基本的に日本のSIMカードを利用する場合は日本の移動体通信事業者が販売する5Gに対応した携帯端末と同様の仕様を適用しているように見受けられた。

次にSoftBankの5Gを試したところ、問題なくFR1のn28でデータ通信していることを確認できた。

無線装置はアンテナ分離型でスウェーデンのEricsson製で、LTE方式のB1およびB3がアンカーバンドとして機能した。

検証場所にはFR1のn3も存在するが、何度か機内モードのONとOFFを繰り返してもn3のアンカーバンドとして機能するLTE方式のB8には接続されず、時間と電池残量を考慮して検証を打ち切った。

最後にRakuten Mobile (楽天モバイル)の5Gでも試したところ、FR2のn257でデータ通信できることを確認し、下りの通信速度は約1.7Gbpsと超高速通信を利用できた。

n257は1搬送波あたりの帯域幅が100MHz幅で、4搬送波を束ねたキャリアアグリゲーション(CA)を適用して最大400MHz幅でデータ通信することになる。

同一の検証場所でGalaxy S21 Ultra 5G SC-52Bではn257の400MHz幅で1.6Gbps前後を記録しており、Smartphone for Snapdragon Insidersでもほぼ同等の速度が出ていた。

無線装置はアンテナ一体型で米国のAirspan Networks製で、アンカーバンドはB3である。

検証場所にはFR1のn77も存在するが、何度か機内モードのONとOFFを繰り返してもn257でデータ通信するため、改めてn257が存在しない場所で検証することにした。

なお、n77ではiPhone 13 ProおよびSHARP製のAQUOS sense5G (A004SH)で下りの通信速度は500Mbpsから600Mbpsを記録していた。

2021年9月25日時点の最新のソフトウェアを適用した状態で検証した結果、NTT DOCOMOのn79は利用できず、SoftBankのn28およびRakuten Mobileのn257は利用できたため、SoftBankおよびRakuten Mobileの5Gは動作することを確認できた。

配達時間を指定できずに受け取り時間が16時前となったため、検証時間も電池残量も十分ではなくKDDIの5Gは検証できなかった。

KDDIの5Gや検証できていない周波数は改めて検証する予定である。

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