シンガポール当局、3者に5G向けの2.1GHz帯を割当
- 2021年11月29日
- 海外携帯電話
シンガポールの政府機関で電気通信分野などの規制を担当する情報通信メディア開発庁(Info-communications Media Development Authority:IMDA)は第5世代移動通信システム(5G)の展開の加速を目的として2.1GHz帯の周波数を割当した。
シンガポール全土を対象区域とする5G向け周波数の割当は3.5GHz帯に次いで2回目となるため、シンガポール全土で5Gの展開を加速するために周波数を追加すると説明している。
2.1GHz帯は周波数オークションを開催して割当しており、既存のシンガポールの移動体通信事業者(MNO)である3者が取得することになった。
帯域幅はSingtel Mobile Singaporeが25MHz幅*2、StarHub MobileおよびM1 (第一通)の企業連合が1者として25MHz幅*2、TPG Telecomが10MHz幅*2である。
StarHub MobileおよびM1は個別に移動体通信事業者として運営しているが、5G向けの3.5GHz帯は企業連合を構成して1者として周波数を取得しており、2.1GHz帯も同様となった。
企業連合として取得した周波数では共同で5Gを整備するため、折半出資合弁会社として設立したシンガポールの移動体通信事業者であるAntinaを通じて無線アクセスネットワーク(RAN)の構築および運用を行う。
5G向けの2.1GHz帯は2022年1月1日より有効期間が開始する。
シンガポールでは2001年4月23日に3G周波数使用権として、2010年11月1日に3G周波数使用権(2010)として第3世代移動通信システム(3G)向けに2.1GHz帯をSingtel Mobile Singapore、StarHub Mobile、M1に割当しており、いずれも2021年12月31日に満期を迎える。
そのため、2.1GHz帯は事実上の再割当で、満期の翌日から使用できることになる。
5G向け2.1GHz帯の割当には条件を付しており、無線方式はNR方式が単独で動作するスタンドアローン(SA)構成で運用する必要がある。
カバレッジの条件も設定しており、TPG Telecom以外のすでに2.1GHz帯を使用する者は2022年末までに面積カバー率を50%以上、2025年末までにシンガポール全土、2.1GHz帯を初めて取得したTPG Telecomは2023年末までに面積カバー率を50%以上、2026年末までにシンガポール全土が条件となっている。
なお、3G周波数使用権および3G周波数使用権(2010)で割当した周波数では3GのW-CDMA方式を導入したが、第4世代移動通信システム(4G)や5Gの導入も認められているため、すでに2.1GHz帯を保有する者は早期に2.1GHz帯でNR方式を導入し、SA構成で運用を開始している。
また、2022年1月1日以降も必要に応じて2.1GHz帯でW-CDMA方式の維持が許可されており、2021年12月31日をもってW-CDMA方式を停波する必要はない。
TPG Telecomは新規参入の移動体通信事業者で、2020年3月31日に商用化した。
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