AST SpaceMobileの試験衛星を9月10日に打ち上げ、宇宙から4Gなど構築
- 2022年09月06日
- Rakuten-総合
米国(アメリカ)のAST SpaceMobileは2022年9月10日に試験衛星のBlueWalker 3を打ち上げることが分かった。
2022年9月10日の19時51分(東部夏時間)にフロリダ州のブレバード郡に所在するケネディ宇宙センターから打ち上げるFalcon 9ロケットでBlueWalker 3を地球低軌道に展開する予定である。
AST SpaceMobileは低軌道上のBlueWalker 3から携帯通信網を構築する計画で、宇宙から携帯通信網を整備することになる。
標準化団体の3GPP (3rd Generation Partnership Project)で標準化された標準技術を採用するため、宇宙から構築した携帯通信網は地上のスマートフォンなど携帯端末で直接通信できる。
AST SpaceMobileは2022年7月28日にフィンランドのNokia Solutions and Networksと協業を発表し、Nokia Solutions and Networksより5年間にわたり第4世代移動通信システム(4G)や第5世代移動通信システム(5G)のAirScale Single RANポートフォリオの無線アクセスネットワーク(RAN)の通信設備の供給を受けることになった。
サービスリンクの携帯通信技術には3GPPの標準技術を採用することから、無線方式は4GがLTE方式、5GがNR方式となる。
すでに米国の政府機関で電気通信分野などの規制を司る連邦通信委員会(Federal Communications Commission:FCC)より米国の3地域で試験の許可を取得している。
対象の3地域はテキサス州のミッドランド郡およびパイン・スプリングス、ハワイ州のホノルル郡で、米国の移動体通信事業者(MNO)であるAT&T Mobilityが免許を保有する周波数を使用する。
運用できる周波数と帯域幅は地域で異なり、ミッドランド郡では850MHz帯の2.5MHz幅*2、パイン・スプリングスでは700MHz帯の10MHz幅*2、ホノルル郡では850MHz帯の1.5MHz幅*2となっている。
バンド番号は850MHz帯が5、700MHz帯が4で、後者はAT&T Mobilityが整備を担うFirstNetの周波数となる。
5および14はLTE方式とNR方式の両方で定義されているが、NR方式では5MHz幅*2以上の帯域幅が必要であるため、少なくとも850MHz帯ではLTE方式を導入し、B5として1.4MHz幅*2で運用すると考えられる。
700MHz帯では技術的にはLTE方式のB14とNR方式のn14のいずれかもしくは両方の運用が可能で、5MHz幅*2もしくは10MHz幅*2で運用することになる。
AST SpaceMobileにはRakuten Group (楽天グループ)が資本参加しており、Rakuten Groupの完全子会社で移動体通信事業者であるRakuten Mobile (楽天モバイル)はスペースモバイルプロジェクトとしてAST SpaceMobileと協力している。
日本で実現するためには制度整備も必要となっている。
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