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北朝鮮のOrabank NKはOsorconに社名変更、事業終了後に合弁解消

  • 2022年09月11日
  • DPRK


エジプトのOrascom Investment Holding (OIH)は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のOrabank NKの事業を終了後に合弁を解消するとともに社名を変更したことが分かった。

Orascom Investment Holdingは関連会社で北朝鮮の移動体通信事業者(MNO)であるCHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社)を通じて北朝鮮でkoryolink (高麗網)として携帯通信事業を展開しているが、北朝鮮では携帯通信事業以外にOrabank NKを通じて小規模な事業も展開していた。

しかし、米国(アメリカ)の政府機関である財務省(Department of the Treasury)傘下の外国資産管理局(Office of Foreign Assets Control:OFAC)が北朝鮮に対する金融制裁を強化したため、Orascom Investment Holdingは2016年11月28日に開催した取締役会でOrabank NKの事業を終了することで決定した。

すでにOrabank NKの事業活動は終了したが、解散の手続きは完了しておらず、法的には会社は存続しているため、Orascom Investment Holdingの業績報告書ではOrabank NKが連結子会社の一覧に残っていた。

連結子会社の一覧には2019年第4四半期までOrabank NKが存在したが、2020年第1四半期からはOrabank NKが消滅すると同時にOsorcon Companyが新たに登場し、2021年第4四半期の終了時点でも掲載されている。

また、出資比率はOrabank NKに対しては95%であるが、Osorcon Companyに対しては100%で完全子会社となっている。

Orascom Investment Holdingの連結子会社で北朝鮮法人は1社から変わらず、北朝鮮で子会社を新設するとは考えにくいため、Orabank NKの社名をOsorcon Companyに変更したと推測できる。

さらに朝鮮民主主義人民共和国 貿易銀行(Foreign Trade Bank of DPR Korea:FTB)の5%の持分はOrascom Investment Holdingが取得したことも分かる。

一連の状況からOrabank NKの事業を終了後に合弁を解消するとともに、社名を変更したと考えられる。

合弁の解消および社名の変更は2020年1月1日から2020年3月31日までに発生し、少なくとも2021年12月31日時点では法人格が存在することになる。

なお、変更後の社名は古代エジプトの人名であるオソルコン(Osorkon)に由来すると思われる。

Orascom Investment HoldingはCHEO Technology JV Companyの議決権の75%と過半を保有するが、2015年第3四半期に位置付けを連結子会社から関連会社に変更し、2015年第3四半期は連結対象から除外している。

2015年第2四半期まではCHEO Technology JV CompanyとOrabank NKともに連結子会社であるため、両社は兄弟会社となっていた。

Orabank NKはCHEO Technology JV Companyの携帯通信事業と関連した事業の開発にも取り組んでいたが、米国政府の制裁措置の影響で事業を終了することになった。

なお、Orascom Investment Holdingは2018年7月9日を効力発生日として社名をOrascom Telecom Media and Technology Holding (OTMT)から変更した。

電気通信分野の事業を中心とする会社から多様な分野で事業を展開する会社に移行するために社名を変更した経緯がある。

多くの電気通信分野の事業を終了したため、電気通信分野の事業はkoryolinkの携帯通信事業が唯一の事業となっている。

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