北朝鮮の情報産業省、慈江道の逓信分所で水力発電を導入
- 2023年04月09日
- DPRK
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の政府機関で電気通信分野などの規制を司る情報産業省(Ministry of Information and Communications Technology Industry:MICTI)は逓信所の支部に相当する逓信分所の一部で水力発電を導入したことが分かった。
北朝鮮の慈江道狼林郡に所在する狼林郡逓信所の屏風徳逓信分所では2023年3月29日までに水力発電を導入した。
通信設備の稼働に必要な電力の一部を水力発電で調達している。
狼林郡では周囲の環境や季節的な条件の影響で安定した電力の確保に一定の制限を受けていたという。
そのため、安定した電力を確保する方法として水力発電を採用することになった。
山里の小川を利用した超小型の水力発電所を開発および建設するとともに、非同期発電機を改良して発電効率を高めた。
水力発電を導入したことで実利的な結果を得ており、安定した電力の確保と安定した通信の提供を担保すると説明している。
なお、逓信所や逓信分所は情報産業省が所有および管理する施設である。
逓信所や逓信分所には携帯電話用の基地局をはじめとして通信設備を併設することが少なくない。
通信設備の稼働に必要な電力の調達に太陽光発電を活用する事例は多いが、地域によっては冬季を中心として太陽光発電を十分に活用できない場合がある。
北朝鮮の北部に位置する慈江道は冬季の日照時間が少なく、降雪が多い地域であるため、太陽光発電では安定した電力の確保が期待できない。
周囲の環境や季節的な条件の影響で安定した電力の確保に一定の制限を受けるとの説明は冬季の太陽光発電を意味すると推測できる。
太陽光発電を補完するために水力発電を導入したと考えられる。
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