北朝鮮のSTARに出資するLoxpac Hong Kong、2022年通期の業績が判明
- 2023年04月09日
- DPRK
香港特別行政区のLoxpac Hong Kongの2022年通期の業績が判明した。
2022年12月31日に終了した12か月間となる2022年通期の売上高は前年同期比250.0%増の571,104米ドル(約7,547万円)となった。
詳細な数値ではないが、2022年通期の当期純利益は前年同期比1,233.3%増の40万米ドル(約5,286万円)で、2019年通期から4期連続で最終黒字を維持している。
2022年12月31日時点で総資産は前年同期比7.1%減の1,300万米ドル(約17億1,789万円)、総負債は前年同期比20.0%減の400万米ドル(約5億2,858万円)である。
Loxpac Hong Kongは2009年7月16日に香港特別行政区でLoxley Pacific Hong Kongとして設立した。
2014年9月15日に社名をLoxpac Hong Kongに変更している。
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の通信事業者に対する投資が主要事業となっている。
北朝鮮のインターネットサービスプロバイダ(ISP)であるSTAR JOINT VENTUREに投資しており、出資比率はLoxpac Hong Kongが70%、北朝鮮のKorea Posts and Telecommunications Corporation (朝鮮逓信会社:KPTC)が30%である。
なお、Korea Posts and Telecommunications Corporationは国営の通信事業者で、北朝鮮の政府機関で電気通信分野などの規制を司る情報産業省(Ministry of Information and Communications Technology Industry:MICTI)が完全所有する。
Loxpac Hong Kongの2022年通期の業績は前年同期比で大幅に伸長しており、STAR JOINT VENTUREの業績が好調であることが直接的な要因と考えられる。
STAR JOINT VENTUREは北朝鮮の首都・平壌市に本社が所在する事業会社である。
インターネットサービスプロバイダの免許は有効期間が2010年から2025年までの15年間で、2010年10月10日に北朝鮮でインターネットサービスを商用化した。
北朝鮮では国家網として国内限定で展開するイントラネットの利用が拡大しているが、外国人や一部の政府機関などではインターネットも利用できる。
インターネットの需要の増大がSTAR JOINT VENTUREの業績に貢献したと考えられる。
スポンサーリンク