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W杯対戦国・ギリシャの携帯電話事情を調べてみた



2014 FIFAワールドカップ ブラジル大会で日本代表の対戦国・ギリシャ。

折角の機会なので、前回のコートジボワールに続いてギリシャの携帯電話事情について調べてみた。

2014年6月現在、モバイルネットワークを運用する事業者はCosmote Mobile Telecommunications、Vodafone Greece、WIND Hellas Telecommunicationsの3社である。

4番目の移動体通信事業者としてQ-Telecomが誕生するも、WIND Hellas Telecommunicationsの前身に統合される。

シェアはCosmote Mobile Telecommunicationsが半数程度を占め、残りをVodafone GreeceとWIND Hellas Telecommunicationsで分け合うが、僅かにVodafone Greeceの方が多く占めている。

■各移動体通信事業者のPLMN番号と周波数帯(括弧内はブランド名)

202-01 Cosmote Mobile Telecommunications (Cosmote) – LTE 1800(B3) MHz, W-CDMA 2100(I) MHz, GSM 1800/900 MHz
202-05 Vodafone Greece (Vodafone) – LTE 1800(B3) MHz, W-CDMA 2100(I) MHz, GSM 1800/900 MHz
202-09 Q-Telecom (Q-Telecom) – GSM 1800/900 MHz
202-10(202-09) WIND Hellas Telecommunications (WIND) – LTE 1800(B3) MHz, W-CDMA 2100(I) MHz, GSM 1800/900 MHz

各移動体通信事業者について簡単に説明しておく。

■Cosmote Mobile Telecommunications (202-01)
– 1998年に国営のHellenic Telecommunications Organization傘下として設立される。
– 設立された年にGSM 1800/900 MHzを使用して移動体通信サービスを開始する。
– 1998年末までに加入件数が100万件を突破する。
– 2001年に加入件数が250万件を突破してギリシャで最大の移動体通信事業者となる。
– 2006年に電子機器の販売を手掛けるGermanosの株式を99%取得する。
– 1994年にGSM 1800 MHzで移動体通信事業を開始する。
– 2002年に内戦の影響で事業継続が困難となり、復活することなく終了する。
– 2004年5月にW-CDMA 2100(I) MHzを3Gサービスとして導入する。
– 2006年9月にギリシャ政府がHellenic Telecommunications Organizationの株式20%を売却する方針を決める。
– 2008年にTelekom Slovenijeとマケドニアにおける事業で合意するも後に撤退する。
– 2008年5月にギリシャ政府がHellenic Telecommunications Organizationの株式をDeutsche Telekomに売却する。
– 2010年にネットワークをアップグレードして下り最大42MbpsのDC-HSDPAや上り最大5.8MbpsのHSUPAを開始する。
– 2010年10月にLTEのトライアルの実施を発表する。
– 2011年にDeutsche Telekomの株式保有率が40%となり、ギリシャ政府は10%まで減らした。
– 2011年9月に3Gエリアの人口カバー率が98%を超える。
– 2012年11月にLTE 1800(B3) MHzを使用してギリシャ初の4Gサービスをアテネとテッサロニキから開始する。
– 2014年6月現在、2001年から引き続きギリシャの移動体通信事業者で1位のポジションを保持する。

■Vodafone Greece (202-05)
– 1992年にVodafoneグループの主導でFrance Telecom (現Orange)、Intracom、Data Bankと協力して設立される。
– 設立当初はブランド名をPanafonとする。
– 1993年7月にGSM 1800/900 MHzを使用して移動体通信サービスを開始する。
– 2002年1月にブランド名をVodafoneに変更する。
– 2004年8月にW-CDMA 2100(I) MHzを3Gサービスとして導入する。
– 2010年にパケット通信規格のHSPA+を導入して通信サービスの高速化を実現する。
– 2012年12月にLTE 1800(B3) MHzを4Gサービスとして導入する。
– 2014年6月現在、ギリシャで2位の移動体通信事業者として存在する。

■WIND Hellas Telecommunications (202-10/202-09追加)
– 1992年にイタリア・STET(後にTelecom Italia)傘下のTELESTETがSTET Hellasを設立する。
– 1992年9月30日にギリシャの運輸通信省(現社会基盤・運輸・ネットワーク省)が移動体通信事業のライセンスを交付する。
– 1993年6月29日にGSM 1800/900 MHzを使用して移動体通信サービスを開始する。
– 移動体通信サービスの開始当初はブランド名をSTET Hellasとして展開する。
– 2001年6月にパケット通信規格のGPRSを導入する。
– 2004年1月27日にW-CDMA 2100(I) MHzを導入し、ギリシャ初の3Gサービスとなる。
– 2004年2月8日にブランド名と社名をTIM Hellasに変更する。
– 2005年4月4日にTelecom Italiaが保有する株式の80.87%を売却することでApax PartnersやTexas Pacificグループと合意する。
– 2005年7月にギリシャ当局の承認を得てTelecom Italiaによる株式売却が完了する。
– 2006年1月31日にギリシャで4番目の移動体通信事業者であるQ-Telecomを買収する。
– 2007年5月に買収したQ-Telecomとモバイルネットワークを統合する。
– 2007年2月7日にTIM HellasがWeather Investmentsに買収されたことを発表する。
– 2007年6月5日にブランド名をWIND Hellasに変更する。
– 2010年に不況の影響で財政難に陥る。
– 2011年にCosmote Mobile TelecommunicationsやVodafone Greeceとの統合案に関する協議が始まる。
– 2012年2月にVodafone Greeceが統合案に関する競技から撤退し、WIND Hellasの統合自体もなくなる。
– 2014年6月現在、ギリシャで3位の移動体通信事業者として存在する。
– 2015年にLTE 1800(B3) MHzを使用した4Gサービスを導入予定。

■Q-Telecom (202-09)
– 2002年6月にGSM 1800/900 MHzを使用して移動体通信サービスを開始する。
– ギリシャで4位の移動体通信事業者として移動体通信事業を手掛ける。
– 2006年1月31日にギリシャで3番目の移動体通信事業者であるTIM Hellas(現WIND Hellas)に買収される。
– 2007年5月にTIM Hellasとモバイルネットワークが統合される。
– 2008年にQ-Telecomのブランド名はプリペイドサービスのみに絞られる。
– 企業としては現存しない。

2014年6月現在、3社の移動体通信事業者が存在しているが、生い立ちが複雑なのはWIND Hellas Telecommunicationsくらいだろう。

PLMN番号はWIND Hellas Telecommunicationsの前身が202-10で、統合されたQ-Telecomが202-09となっていたが、Q-Telecomの統合によって現在のWIND Hellas Telecommunicationsは202-10と202-09の両方で運用している。

設立当時は国営であったCosmote Mobile Telecommunicationsが強い状況にある。

周波数帯は2GがGSM 1800/900 MHz、3GがW-CDMA 2100(I) MHz、4GがLTE 1800(B3) MHzとシンプルであり、世界で最も主流な帯域のみを使用するので覚えやすい。

今後は、LTE 900(B8) MHzも使用される予定である。

携帯電話の加入者数は2008年までは増加傾向を示していたが、2008年を境に減少している。

背景としてギリシャ政府の財政難や、2009年から2010年にかけて実施されたSIMカードの登録義務が影響していると考えられる。

メーカーとしてはテッサロニキに本社を置くMLS Multimediaが存在しており、2012年には初めてのMade in Greeceなスマートフォンを公開した。

MLS Multimediaはソフトウェア業を本業とするが、最初のスマートフォンを投入してからも複数のスマートフォンやタブレットを投入している。

mlsgr

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“W杯対戦国・ギリシャの携帯電話事情を調べてみた” への1件のコメント

  1. […] 折角の機会なので、コートジボワール、ギリシャに続いてコロンビアの携帯電話事情について調べてみた。 […]

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