フレームレス構造で極限までベゼルを狭くしたスマートフォンAQUOS CRYSTAL (305SH) レビュー
- 2014年08月21日
- Review
SoftBank向けのSHARP製スマートフォン「AQUOS CRYSTAL (305SH)」を触る機会があったので簡単にレビューしておく。
AQUOS CRYSTALは日米共同調達のスマートフォンとして発表されている。
米国ではSprintとSprintの仮想移動体通信事業者(MVNO)であるBoost MobileやVirgin Mobile USAがAQUOS CRYSTAL (306SH)を取り扱う。
AQUOS CRYSTALは日米共同調達のスマートフォンとしても注目されているが、フレームレス構造を採用したスマートフォンとしても注目されている。
これまでSHARPはEDGESTとして上と左右の3辺のベゼルを狭くした設計を採用してきたが、新たな技術が導入されたフレームレス構造はEDGESTがより進化した形となり、非常にインパクトのあるデザインに仕上げられている。
▲
フレームレス構造を採用したデザインは印象的である。
ナビゲーションキーはオンスクリーンとなり、フロントはすっきりしたデザインとなる。
フレームレス構造は新開発狭額縁液晶パネルとエッジカットを施した前面パネルによる光学レンズ効果の技術を導入している。
新開発狭額縁液晶パネルでベゼルをより狭くすることに成功しているが、エッジカットを施した前面パネルによる光学レンズ効果でよりベゼルを狭く見せている。
▲
エッジカットをしているため、横から見ると斜めに切り込まれていることが分かる。
▲
エッジカットはディスプレイの表示領域と僅かながら被っているため、見る角度によっては二重に見えたり、ずれて見えることがある。
そのため、表示領域と被る形でエッジカットを施している点はあまり評価できない。
▲
上側のベゼルが狭くなっているため、フロントカメラはディスプレイの下に配置されている。
3辺のベゼルを狭くすると、ディスプレイの下を狭くするのは難しそうである。
ロゴはAQUOSロゴのみが入っており、SoftBankロゴは入らない。
▲
上側のサイドには電源キーを備える。
リアの形状は両サイドに向かって薄くなる蒲鉾型を採用している。
元から横幅が狭く設計されているため持ちやすいが、蒲鉾型にすることでより手にフィットするように設計されている。
ただ、手に取ってみると少し厚みと重さを感じるところである。
▲
カメラを起動すると、背景によっては溶け込んでしまいそうなくらいにベゼルが狭い。
▲
サイドは左側にボリュームキーを備えており、右側にはキーが配置されていない。
SHARP製のスマートフォンはボリュームキーがタッチセンサのスマートフォンも存在するが、AQUOS CRYSTALはハードウェア的なキーを採用しており、誤操作の不安が低くなるので評価したい。
カラーバリエーションはホワイト、ブラック、ピンク、ブルーの4色が用意されている。
フロントの色はカラーバリエーションに関わらず銀色のみである。
ただ、フロントのベゼルが銀色に仕上げられていることで、よりクリスタル感を感られるようになっている。
▲
ホワイトはマットな質感に仕上げられている。
ブツブツが入るデザインを採用しているが、このデザインはあまり好きではない。
リアカバーは脱着可能で、気分で色を変えるような使い方もできる。
なお、電池パックは取り外せない。
▲
ピンクは鮮やかな色ではなく、落ち着いた色に仕上げられている。
▲
ホームアプリはFeel UX HomeとSH HOMEの2種類をプリインストールしている。
好みに応じて設定から切り替えることが可能である。
スペックシート上はシステムメモリの容量が1.5GBで、内蔵ストレージの容量が8GBとなっている。
▲
システムメモリは0.90GBが使用済みで、空きは449MBと表示されている。
常駐アプリなどを多数起動させたままにしておくと、システムメモリに余裕がなくなることは十分にあり得るだろう。
▲
内蔵ストレージの利用状況を見ると、1.5GBが使用済みと表示されている。
利用可能な空き容量は2.6GBとなっている。
4.1GBがアプリケーションのインストール領域として認識されている。
米国版のAQUOS CRYSTALは同梱されないが、日本版のAQUOS CRYSTALはワイヤレススピーカーシステムのharman/kardon ONYX STUDIOが同梱される。
スマートフォンとBluetoothで接続することで、高音質な音楽を楽しむことが可能となる。
ワイヤレススピーカーシステムを同梱するのは悪くないが、これを同梱せずにより低価格でスマートフォンを購入できるような選択肢も用意してほしかったところである。
日本独自機能を削り、ベゼルも削り、価格も削り…となってほしかったが、残念ながらワイヤレススピーカーシステムが強制で付属し、価格も米国版と比べて割高に感じる。
▲
harman/kardon ONYX STUDIOはスマートフォンを比べても、非常に大きいことが分かる。
これが同梱されるので、化粧箱もかなり大きくなるはずである。
最近は各メーカーが化粧箱を小さくする傾向にあるが、時代に逆行した大きな化粧箱となるのだろう。
▲
設定画面にはharman/kardon audioの設定も用意されている。
▲
端末情報を表示したところである。
モデル番号は305SH、OSはAndroid 4.4.2 KitKat Version、ベースバンドバージョンは00.00.00となっている。
技適マークは電磁表示も可能である。
AQUOS CRYSTALはデザイン面に関しては、持っているだけでワクワクするくらいに格好良く美しい。
デザインは個人の感性によって評価が左右されるが、日本で登場したスマートフォンの中では、トップクラスの格好良さと言っても過言ではないだろう。
ただ、ディスプレイの表面はガラスではなくアクリルを採用しているため、スクラッチによる傷が心配である。
エッジカットやアクリルを採用したことも影響したせいか、タッチパネルの感度は相変わらず改善していないように感じた。
端末以外の面について、やはり価格は割高感を感じずにはいられない。
月月割など毎月の割引額を多く設定して、本体価格(定価)は高いながらも実質価格を安く見せる販売方法は、SoftBankに限らず健全とは言い難い。
AQUOS CRYSTALは日米共同調達のスマートフォンということからも日本独自機能は搭載していない。
基本スペックや機能面から考えて、本体価格はワイヤレススピーカーシステムを含めても、もう少し安くしてほしかったところである。
日米共同調達のメリットとして、調達コストを抑えられることを挙げていたが、それを本体価格にも反映すべきではないだろうか。
端末自体は非常に魅力的なAQUOS CRYSTALであるが、日本においてはそれ以外の点で惜しいところがあるように感じる。
最後に、AQUOS CRYSTALを簡単に操作した動画を掲載しておく。
スポンサーリンク
[…] 今日ヤマダ電機でシャープのAQUOS CRYSTALを触ってきたんですが,結構使いやすそうでした.ただフレームレス構造で極限までベゼルを狭くしたスマートフォンAQUOS CRYSTAL (3…によると液晶の表面がアクリルらしいので耐久性が心配… […]