台湾之星の4G LTE対応プリペイドSIMカードを試す、購入には入国カードの提示が必須
- 2016年06月11日
- Report
台湾の移動体通信事業者であるTaiwan Star Telecom (台湾之星電信)は2016年1月より4Gとして提供するLTEサービスを利用可能なプリペイドSIMカードの販売を開始しており、2016年5月下旬からCOMPUTEX TAIPEI 2016 (2016年台北国際電脳展)に合わせて台湾を訪問し、ようやくプリペイドSIMカードでTaiwan Star TelecomのLTEサービスを試すことができた。
LTEサービスを利用できるTaiwan Star TelecomのプリペイドSIMカードはTaiwan Card (台湾卡)のプランのひとつとして用意しており、台湾桃園国際空港(TPE)の第1ターミナルおよび第2ターミナルの制限区域内の直営店のみで販売している。
制限区域内であるため入国前にプリペイドSIMカードを買うことになり、営業時間はいずれも10時~20時となっている。
日本から台北に行く場合は台北松山空港もよく使われるが、Taiwan Star TelecomのLTEサービスを利用可能なプリペイドSIMカードは2016年6月の時点で台湾桃園国際空港の直営店のみが取り扱うため注意が必要である。
何も考えずに最安の便を選択したため、1時過ぎに台湾桃園国際空港に到着し、9時間近く第1ターミナルのトランジット・ルームで過ごした。
第1ターミナルのトランジット・ルームは電源を確保可能で、深夜でもそれなりに人が多かった。
シャワーはトランジットのみと記載されていたが、トランジットではなくても無料で使うことができた。
そもそもトランジットせずにトランジット・ルームを使うこと自体が、航空会社の従業員を除いて極めて稀なケースと思われる。
ちなみに、仮眠やスマートフォンの充電でトランジット・ルームを使うChina Airlines (中華航空)の従業員も多かった。
トランジット・ルームでシャワーを浴びて仮眠し、10時前からTaiwan Star Telecomの直営店に並んだが、すでに1人が並んでおり、営業開始は10時を過ぎていた。
台湾桃園国際空港ではTaiwan Star Telecom以外の4社の移動体通信事業者のプリペイドSIMカードを購入した経験があり、4社ともパスポートの提示のみでプリペイドSIMカードを購入できたが、Taiwan Star Telecomは記入済みの入国カードを提示する必要があった。
入国カードを所持していない場合、Taiwan Star Telecomのスタッフが入国カードを出してきて記入するよう求められた。
購入条件は台湾籍以外の国籍である必要があり、また中国籍/香港籍/マカオ籍と日本を含めたその他の国籍では条件が異なっており、その他の国籍の場合は20歳以上でパスポートと入国カードの提示を条件としている。
LTEサービスを利用できる4G Day PassのプランはAプラン、Bプラン、Cプラン、Dプランの4種類である。
すべてのプランでデータ通信は無制限となり、Aプランは3日間有効で100台湾ドル分の通話料を含み販売価格は250台湾ドル、Bプランは5日間有効で50台湾ドルの通話料を含み販売価格は250台湾ドル、Cプランは7日間有効で120台湾ドルの通話料を含み販売価格は450台湾ドル、Dプランは10日間有効で100台湾ドル分の通話料を含み販売価格は450台湾ドルとなっており、Bプランを購入した。
通信方式はFDD-LTE方式の2.6GHz帯(Band 7)、900MHz帯(Band 8)、W-CDMA方式の2.1GHz帯(Band I)を利用できる。
直営店のカウンターではLTEサービスはFDD-LTE方式の900MHz帯と案内しているが、2016年4月よりFDD-LTE方式の2.6GHz帯も利用を開始している。
案内は更新していないだけと思われるが、2.6GHz帯は利用を開始したばかりでエリアが狭く、あえて案内しない方が親切かもしれない。
Taiwan Star TelecomはLTE-Advancedの主要技術であるキャリアアグリゲーション(CA)を導入しており、端末側が対応していればCA_7A-8Aの組み合わせのキャリアアグリゲーションも利用できる。
SIMカードのサイズはMini SIM (2FF)サイズ、Micro SIM (3FF)サイズ、Nano SIM (4FF)サイズのトリプルカットで、APNはinternetで問題ない。
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Taiwan Card独自デザインのプリペイドSIMカード
開通直後はしばらくW-CDMA方式に接続していたが、開通から10~15分ほど経過後に自動的にLTE方式に切り替わった。
台北や新北および桃園の一部でFDD-LTE方式の900MHz帯にも対応した端末で利用したところ、一部の屋内を除いて概ねLTE方式に接続しており、上りの通信速度が遅いことはあったものの実用的に使うことができた。
また、FDD-LTE方式の900MHz帯に非対応でFDD-LTE方式の2.6GHz帯に対応した端末ではW-CDMA方式に接続することが多く、高速なLTEサービスを広いエリアで利用するためにはFDD-LTE方式の900MHz帯に対応した端末を用意するべきだろう。
ただ、Taiwan Star TelecomのプリペイドSIMカードは他社の音声通話対応のプリペイドSIMカードより割安に設定されており、田舎に行くことがなければLTEサービスの利用を重視しない場合でもTaiwan Star TelecomのプリペイドSIMカードは良い選択肢になるだろう。
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Taiwan Star TelecomのLTEネットワークに接続して通信速度を測定
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