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深圳のvivo体験センターを訪問、vivo X9やvivo Xplay6などを展示



中国の広東省深圳市を訪問する機会があり、深圳市にあるvivo Mobile Communication (維沃移動通信)の旗艦店を訪れた。

vivo Mobile CommunicationはGuangdong OPPO Mobile Telecommunications (広東欧珀移動通信)と同様に、実店舗の展開を強化している。

その背景には中国ではスマートフォンの購入のうち、大半がオンラインでなく実店舗のようなオフラインで、主流派のオフラインにおける展開を強化してスマートフォンの販売台数を伸ばす狙いがある。

vivo Mobile Communicationは中国全土で実店舗を展開しているが、体験センターが旗艦店と近い位置づけの実店舗となる。

深圳市にはvivo華強北体験中心を設置しており、vivo Mobile Communicationのスマートフォンを体験できる。

最寄駅は深圳地下鉄の3号線の華新駅で、華新駅のA1出口から少し歩くだけで辿り着ける。

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vivo華強北体験中心の外観。

vivo Mobile Communicationは中国で2016年11月にvivo X9vivo X9Plusvivo Xplay6を発表しており、vivo華強北体験中心の展示も新機種が中心となっている。

中国ではハイエンドは市場規模が小さく、ミッドレンジ以下のスマートフォンが中心である。

ローエンドは収益性を考慮すると薄利多売が必要となり、そうなれば安物のイメージが定着する懸念もある。

中国で急成長を遂げているメーカーはミッドレンジをフラッグシップとして展開し、ブランド力を育てつつスマートフォンの販売台数を伸ばして収益性も確保している。

vivo Mobile Communicationのハイエンドはvivo Xplay6であるが、フラッグシップはミッドレンジのvivo X9である。

たまにこのスペックでフラッグシップwなどとツッコミが入ることもあるが、フラッグシップとハイエンドは意味がまったく異なり、フラッグシップは必ずしもハイエンドである必要がなく、言葉の意味を十分に考えるよう助言したい。

ミッドレンジであればブランドイメージを損なうことなく、富裕層ではなくとも手が届きやすいため、薄利多売の商売にならないかつ一定の販売台数が見込めるレンジで、各メーカーはそれを理解したうえで主力商品をミッドレンジで展開している。

vivo華強北体験中心では展示の中心はvivo X9で、それはvivo華強北体験中心を訪れると一目で分かった。

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vivo X9をフラッグシップとして展開。

vivo X9は前面に約2000万画素と約800万画素のデュアルカメラを搭載する。

背面は約1600万画素のカメラであり、背面より前面の方が高性能なカメラとなる。

中国では自分撮り(Selfie)機能の需要が高く、vivo X9は自分撮り機能を強化した。

Guangdong OPPO Mobile Telecommunicationsは自分撮り機能とオフライン展開の強化でスマートフォンの販売台数を伸ばしたが、vivo Mobile Communicationもそれと近い戦略である。

これまでvivo Mobile Communicationは本社に音楽手机とスローガンを貼り、キャッチコピーはvivo Hi-Fi & Smartとして音響性能をアピールしていた。

早期よりフルメタルボディや両面ガラスを採用するなど、音響性能とデザインには定評があった。

vivo Mobile Communicationもこれまでに自分撮り機能を宣伝する広告を展開していたが、自分撮り機能の評判は概してGuangdong OPPO Mobile Telecommunicationsの方が高かった。

競合他社と比べてvivo Mobile Communicationはカメラが弱点となっていたが、vivo X9では競合他社を上回るくらいにカメラ機能、特に自分撮り機能を強化してきた。

また、キャッチコピーはvivo X9などの発表に合わせてvivo Hi-Fi & Smartからvivo Camera & Musicに変更した。

Hi-Fiでは少し分かりにくいためシンプルにMusic、引き続き音響性能もアピールしつつ、キャッチコピーにカメラを加えてカメラを強化する姿勢を明確化している。

vivo X9はこれまでのvivo Mobile Communicationの弱点を潰したスマートフォンに仕上げられている。

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vivo X9の前面。

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vivo X9の背面。

vivo Mobile Communicationはハイエンドのvivo Xplay 3Sを発売してから2年近くハイエンドのスマートフォンは新機種を見送っていた。

vivo Xplay 3Sの販売不振が理由でハイエンドの新製品を見送っていたが、2年ぶりにハイエンドの新製品としてvivo Xplay5 旗艦版を発表した。

vivo Mobile Communicationはブランド力も成長したため、vivo Xplay5 旗艦版は一定の成果を収め、中国の携帯電話事業者であるChina Mobile Communications (中国移動通信)が公表するスマートフォンの月間人気ランキングでは高価格帯部門でトップ10に顔を出すほどに売れた。

vivo Xplay5 旗艦版が好調に売れたこともあり、vivo Xplay5 旗艦版の発表から1年も経たずにハイエンドのvivo Xplay6が発表された。

vivo Xplay6は2Kクラスの高解像度の曲面ディスプレイを搭載しており、前面パネルは上下左右が丸みを帯びた形状に仕上げられている。

カメラは背面に4軸光学手ブレ補正に対応した約1200万画素と約500万画素のデュアルカメラ、前面に約1600万画素のカメラを搭載し、スペックは充実しているが、それだけ価格も高い。

やはり、価格は抑えめで中国のトレンドである自分撮り機能を強化したvivo X9をフラッグシップとして展開することは当然と言える。

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vivo Xplay6の前面。

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vivo Xplay6の背面。

vivo Mobile Communicationのスマートフォンとしてはフラッグシップのvivo Xシリーズやハイエンドのvivo Xplayシリーズが取り上げられることが多いが、vivo Vシリーズは決して無視してはいけない。

vivo V3は中国を含めたグローバルで販売しており、中国では経済レベルが比較的低い都市でも販売台数を伸ばし、中国以外ではインドでも販売台数を大幅に伸ばした。

インドでは2016年第3四半期におけるスマートフォンの出荷台数でvivo Mobile CommunicationがGuangdong OPPO Mobile Telecommunicationsを上回ったが、vivo V3の好調が大きな要因の一つである。

また、vivo Yシリーズも堅調な売れ行きを見せており、前面に約1600万画素のカメラを搭載したvivo Y67を発売するなど、下位のスマートフォンでも自分撮り機能の強化に努めている。

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vivo V3の前面。

中国では2016年第3四半期におけるスマートフォンの出荷台数でvivo Mobile CommunicationがGuangdong OPPO Mobile Telecommunicationsに続いて2位となり、前年同期比の成長率ではGuangdong OPPO Mobile Telecommunicationsを上回った。

Guangdong OPPO Mobile Telecommunicationsと比べて日本では取り上げられる機会が少なく、vivo Mobile Communicationの注目度は比較的低いように感じるところだ。

結構前の話ではあるものの、言われたことは忘れられない正確なので申し上げておくと、筆者は1年以上も前にvivo Mobile Communicationの躍進を察知し、それを話しても否定的な見解を示す中国市場のウォッチャーもいたが、結果的に筆者の見通しが正しかったことになる。

Guangdong OPPO Mobile Telecommunicationsは以前よりvivo Mobile Communicationを警戒しており、また経済レベルが比較的低い都市では地味ながらvivo Mobile Communicationがオフライン展開を強化していたことなどから、筆者は根拠を持ったうえでvivo Mobile Communicationの躍進を見抜けたが、否定的な見解を示した方々は猛省していただきたいところである。

ギーク的な視点では深圳市のマーケットをウォッチしていて楽しいことは間違いないが、二線都市以下の都市を中心に強化しているメーカーもあり、深圳市を見れば中国すべてを把握できるというわけではない。

おそらく深圳市のみを見て満足してしまったか、もしくはvivo Mobile Communicationが経営資源を集中させている取り組みを的確に捉えず見るべきポイントを誤っていた方々がvivo Mobile Communicationの躍進を見抜けなかったのだろう。

vivo Mobile Communicationの展開はGuangdong OPPO Mobile Telecommunicationsとともに今後も注視したい。

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