インドネシアの携帯電話事業者TelkomselがBlackBerry Auroraの取り扱いを開始
- 2017年04月30日
- Android関連
インドネシア最大の移動体通信事業者であるTelekomunikasi Selular (以下、Telkomsel)はBlackBerryブランドのスマートフォン「BlackBerry Aurora (BBC100-1)」の取り扱いを開始した。
販売価格は定価と同じく3,499,000インドネシアルピア(約29,000円)に設定されているが、BlackBerry Auroraバンドルプログラムを申請することで、5ヶ月にわたりBBM、WhatsApp、LINEで利用できる2.5GB分のデータ通信容量を得られる。
BlackBerry AuroraはインドネシアのBB Merah Putihが展開するスマートフォンで、BB Merah PutihとTelkomselは密接な関係にある。
BB Merah PutihはインドネシアのTiphone Mobile Indonesia (以下、TELE)とカナダのBlackBerryが出資する合弁会社で、BlackBerryとはインドネシア国内におけるブランドライセンス契約を締結した。
一方、TelkomselはインドネシアのTelekomunikasi Indonesia (以下、Telkom Indonesia)の子会社で、Telkom Indonesiaは全額出資子会社のPins Indonesiaを通じて第2の株主としてTELEに出資している。
TELEは子会社を通じて製造拠点も保有しており、インドネシアのAdi Reka Mandiri (以下、ARM)がインドネシアのチカランに位置するデルタシリコン工業団地に設置した工場でBlackBerry Auroraを製造する。
なお、Adi Reka MandiriにはTiphone Mobile Indonesiaのほか台湾のArima Communications (華冠通訊)が出資し、出資比率はTiphone Mobile Indonesiaが55%、Arima Communicationsが45%である。
Telkom Indonesiaが主要株主として資本参加する企業とその子会社がBlackBerry Auroraを展開および製造し、Telkom Indonesiaの子会社がBlackBerry Auroraを取り扱う構図となる。
余談ではあるが、BB Merah Putihの社名に関してBBがBlackBerryに由来することは明白であるが、Merahはインドネシア語で紅、Putihはインドネシア語で白を意味し、紅白のインドネシア国旗をインドネシア語ではSang Saka Merah Putihとも呼ぶことから分かるように、Mearh Putihはインドネシア国旗に由来する。
インドネシアと南アジア各国、具体的にはインド、スリランカ、ネパール、バングラデシュを除いたグローバルではTCL Communication Technology Holdings (TCL通訊科技控股)がBlackBerryとブランドライセンス契約を締結したが、インドネシアで展開するためには同国政府が設けた現地調達率の基準を守る必要がある。
現地調達率の問題でインドネシアから撤退したメーカーやブランドも存在するが、インドネシアでは過去にBlackBerryのスマートフォンが人気で、今のなおBBMが人気でBlackBerryを模倣したスマートフォンが登場するほどで、さらに経済成長率や巨大な市場規模といった観点からもBlackBerryとしては無視できない市場である。
多くのメーカーやブランドがインドネシア国内に工場を設置もしくはインドネシアに工場を持つ企業と提携して現地調達率の順守に努めており、このような背景からBlackBerryはTiphone Mobile Indonesiaと共同出資でBB Merah Putihを立ち上げた。
なお、インドでも同国政府の政策により現地製造を推進しており、BlackBerryはインドに工場を保有するインドのOptiemus Infracomとブランドライセンス契約を締結し、インド周辺の南アジア各国はインドを拠点として輸出することになる。
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