中国・延辺朝鮮族自治州では携帯電話事業者の看板が朝鮮語併記に
- 2017年08月09日
- Report
朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)へ渡航するために、経由地として中国・吉林省の延辺朝鮮族自治州の州都・延吉市を訪問した。
延辺朝鮮族自治州は公用語が朝鮮語と中国語で、条例でも朝鮮語と中国語の併記が義務付けられているため、看板などは原則として朝鮮語と中国語が併記される。
中国の携帯電話事業者も例外ではなく、販売店の看板などは朝鮮語と中国語で記載されている。
例えば、China Mobile Communications (中国移動通信/中国移動:以下、China Mobile)であれば「중국이동/中国移动」、China United Network Communications (中国聯合網絡通信/中国聯通:以下、China Unicom)であれば「중국련통/中国联通」、China Telecom (中国電信)であれば「중국전신/中国电信」のように、中国の携帯電話事業者も朝鮮語表記となる。
中国には何度も渡航しており、中国の携帯電話事業者は見慣れているが、延辺朝鮮族自治州の訪問は初めてで、中国の携帯電話事業者の朝鮮語表記は少し新鮮に感じた。
なお、China Unicomは「중국연통」ではなく「중국련통」となっている。
頭音法則を適用する南側(韓国)の報道機関などでは「중국연통」の表記をよく見かけるが、延辺朝鮮族自治州では北朝鮮と同様に頭音法則は適用せずに「중국련통」と表記されている。
「중국련통/中国联通」は「중국/中国」と「련통/联通」からなる複合語であり、「련통/联通」は南側で頭音法則を適用する対象となる。
北朝鮮と接する延辺朝鮮族自治州は地理的のみならず言語表記的にも北朝鮮と近い模様である。
ただ、文語では北朝鮮と近いが、延吉市を中心に延辺朝鮮族自治州は南側文化の浸透が進んでおり、口語では南側の影響も強まっている。
延辺朝鮮族自治州においては、China Mobileは同社の完全子会社で吉林省を管轄するChina Mobile Group Jilin Company (中国移動通信集団吉林/吉林移動)傘下の延辺州分公司、China Unicomは同社の省分公司で吉林省を管轄する吉林省分公司傘下の延辺州分公司、China Telecomは同社の分公司で延辺朝鮮族自治州を管轄する吉林省延辺電信分公司が事業を担当する。
分公司は日本における支社に相当し、分公司固有の法人格はない。
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