制裁対象のGazprombankがロシアMegaFonの第2の株主に
- 2017年11月02日
- 海外携帯電話
スウェーデンのTelia CompanyはロシアのGazprombankとロシアの携帯電話事業者であるMegaFonの株式売買で合意した。
Telia CompanyはMegaFonの株式19.0%を保有するが、そのすべてを1株あたり514ロシアルーブル(約1,000円)、総額は604億ロシアルーブル(約1,182億円)でGazprombankに売却する。
これにより、取引が完了すればGazprombankはロシアのUMS Holdingsに次いで、MegaFonの第2の株主となる。
GazprombankはGazprom傘下の銀行で、Gazpromやそれの多くの子会社や関連会社とともに米国政府より制裁対象に指定されている。
米国の財務省(Department of the Treasury)はロシアによるウクライナ併合に関連してロシアのエネルギー部門に対する制裁の一環でGazprombankを制裁対象に指定しており、米国人とGazprombankの金融取引を禁止した。
また、欧州連合(European Union:EU)もGazprombankを制裁対象に指定しており、直接的または間接的を問わず制裁対象の企業に対する資金の提供を禁じている。
Telia CompanyはGazprombankと取引するうえで、Gazprombankが欧米当局から制裁対象に指定されていることを認識し、MegaFonの株式売買はGazprombankの資金調達やGazprombankが発行する株式やその他の証券の取引は含まれないため、各種制裁の適用対象にはならないとの見解を表明した。
また、Telia Companyは言及していないが、Gazprombankは日本の財務省(Ministry of Finance)および経済産業省(Ministry of Economy, Trade and Industry)からも制裁対象に指定されており、証券の発行などの禁止措置を発動している。
依然としてUMS HoldingsがMegaFonの株式56.32%を保有し、UMS HoldingsがMegaFonの経営権を持つため、Gazprombankの資本参加がMegaFonに与える影響は軽微と思われる。
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