koryolinkを運営する北朝鮮のCHEO Technology、2018年通期の業績が判明
- 2019年10月25日
- DPRK
朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の移動体通信事業者(MNO)であるCHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社)の2018年通期の業績が判明した。
2018年通期の売上高は前期比4.06%増の66億8,306万エジプトポンド(約449億1,024万円)、総経費は前期比3.33%減の29億1,142万2,000エジプトポンド(約195億9,722万円)、税引後純利益は前期比9.55%増の37億7,163万8,000エジプトポンド(約253億8,330万円)となった。
前期比で増収増益を達成したことになる。
CHEO Technology JV Companyの最大の出資者であるエジプトのOrascom Investment Holding (OIH)に対する分配額は前期比9.49%増の28億2,717万3,000エジプトポンド(約190億2,701万円)である。
なお、CHEO Technology JV Companyに対する出資比率および議決権持分はOrascom Investment Holdingが75%、北朝鮮のKorea Posts and Telecommunications Corporation (朝鮮逓信会社:KPTC)が25%で、Orascom Investment HoldingはCHEO Technology JV Companyを関連会社として位置付けている。
Korea Posts and Telecommunications Corporationは北朝鮮の政府機関で電気通信分野などの規制を司る逓信省(Ministry of Posts and Telecommunications:MPT)が所有する国営企業で、CHEO Technology JV Companyの事業はOrascom Investment Holdingと北朝鮮政府の合弁事業となる。
また、2018年12月31日時点のCHEO Technology JV Companyの総資産は295億2,495万8,000エジプトポンド(約1,986億8,712万円)、総負債は46億5,828万1,000エジプトポンド(約313億4,773万円)、純資産は248億6,667万7,000エジプトポンド(約1,673億3,939万円)となった。
CHEO Technology JV Companyは北朝鮮の首都・平壌直轄市に本社を置く企業で、ブランド名をkoryolink (高麗リンク)および高麗網として平壌直轄市を含めた主要都市で移動体通信事業を行う。
高麗網はkoryolinkの朝鮮語名称として一般的に使用されており、高麗網の名称のみを認知する者も存在する。
国際連合安全保障理事会(United Nations Security Council)は原則として北朝鮮の個人や事業体と行う合弁事業の新規開設や維持および運営を禁じたが、CHEO Technology JV Companyの事業は国際連合安全保障理事会の1718委員会より公益性が高い電気通信事業と認められ、事業の継続が正式に承認されている。
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