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北朝鮮の携帯電話事業者koryolink、国連が事業継続を承認



エジプトのOrascom Investment Holding (OIH)は国際連合(United Nations:UN)より朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)におけるCHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社:以下、CHEO Technology)に係る事業継続の承認を取得したことが分かった。

国際連合安全保障理事会は北朝鮮に対する追加制裁を講じる決議として、2017年8月5日に決議第2371号(2017)、2017年9月11日に決議第2375号(2017)をともに全会一致で採択した。

決議第2371号(2017)では原則として北朝鮮の個人や事業体との合弁事業に係る新規開設および追加投資を禁止し、Orascom Investment HoldingはCHEO Technologyへの追加投資が禁じられた。

また、決議第2375号(2017)ではさらに厳しい制裁措置が盛り込まれ、北朝鮮の個人や事業体との既存の合弁事業に係る維持および運営まで禁止した。

一部の例外を除いて、既存の合弁事業は決議第2375号(2017)の採択から120日以内に閉鎖、すなわち2018年1月10日以降は合弁事業を中止しなければならない。

既存の合弁事業を継続するためには、国際連合安全保障理事会に禁止の免除を申請し、決議第1718号(2006)に基づいて設立された委員会(1718委員会)より免除を受ける必要がある。

委員会の審査を経て免除を受ければ合弁事業は継続可能で、申請が却下となれば却下から120日以内に閉鎖する必要が生じる。

ブランド名をkoryolink (高麗網)として北朝鮮で移動体通信事業を展開するCHEO TechnologyはOrascom Investment Holdingと北朝鮮の政府機関で電気通信分野などの規制を担う逓信省(Ministry of Posts and Telecommunications:MPT)傘下のKorea Posts and Telecommunications Corporation (朝鮮逓信会社:KPTC)との合作企業で、出資比率はOrascom Investment Holdingが75%、Korea Posts and Telecommunications Corporationが25%となっている。

そのため、CHEO Technologyは決議第2371号(2017)および決議2375号(2017)の影響を受ける対象である。

Orascom Investment Holdingはエジプト政府を通じてCHEO Technologyに係る事業について禁止の免除を申請したが、米国の国連使節団が委員会に2018年6月20日まで決断を保留するよう求めるなど委員会の決断が大幅に遅れていた。

2018年9月20日にOrascom Investment Holdingは米国の政府機関である国務省(Department of State)および米国のニューヨーク州ニューヨーク市に駐在するエジプトの国連使節団よりCHEO Technologyに係る事業継続について通知を受けたという。

CHEO Technologyは北朝鮮で代表的な移動体通信事業者(MNO)であり、委員会は決議第2375号(2017)の第18節に従って免除の対象となる公益的な合弁事業と判断した模様で、Orascom Investment Holdingは委員会よりCHEO Technologyに係る事業は禁止の免除を受けた。

これにより、Orascom Investment HoldingはCHEO Technologyに係る事業を継続できることになる。

Orascom Investment Holdingは2018年9月23日にCHEO Technologyの事業に係る重大な情報を開示したが、2018年9月23日は取引開始時刻よりエジプト証券取引所ではOrascom Investment Holdingの株式を取引停止とし、情報の開示後となる2018年9月23日の11時15分(エジプト時間)より取引再開している。

なお、Orascom Investment Holdingは2018年7月9日より社名をOrascom Telecom Media and Technology Holding (OTMT)からOrascom Investment Holdingに変更したが、本稿では社名変更前の活動もOrascom Investment Holdingに統一して表記した。



北朝鮮の首都・平壌市内にあるkoryolinkの旗艦店

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