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鴻海系の亞太電信が2020年Q3に5G開始へ、取得断念の3.5GHz帯も使用



Foxconn (富士康)の通称で知られる台湾のHon Hai Precision Industry (鴻海精密工業)の子会社で台湾の移動体通信事業者(MNO)であるAsia Pacific Telecom (亞太電信)は2020年第3四半期に第5世代移動通信システム(5G)を商用化することが分かった。

Asia Pacific Telecomは109回定時株主総会を開催し、経営方針のほか5Gを中心とした将来の展望を説明した。

NR方式に準拠した5Gサービスは2020年第3四半期に商用化する予定で、周波数はサブ6GHz帯の3.5GHz帯とミリ波(mmWave)の28GHz帯を使用するという。

台北市内湖区に所在するAsia Pacific Telecomの本社では5Gの基地局と端末を披露しており、5Gの基地局はフィンランドのNokia製、5Gの端末はモバイル無線LANルータがHon Hai Precision Industryの子会社で中国のFoxconn Industrial Internet (富士康工業互聯網)製、据置型無線LANルータがNokia製である。

Asia Pacific Telecomは第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式では主にNokiaより基地局を調達しているため、NR方式でもNokiaより基地局を調達することはほぼ決定的となっている。

台湾では5G向け周波数として1.8GHz帯、3.5GHz帯、28GHz帯の割当をオークション形式で実施したが、帯域幅が狭い1.8GHz帯はすべての移動体通信事業者が見送り、人気が集中した3.5GHz帯は高騰したため、Asia Pacific Telecomは3.5GHz帯の取得を断念した。

最終的に、Asia Pacific Telecomは28GHz帯の400MHz帯を取得する結果に終わった。

28GHz帯は高トラヒックエリアでスポット的に展開する場合は適しているが、周波数特性から面的な展開は難しい。

Asia Pacific Telecomは3.5GHz帯の取得を断念したが、5Gでは3.5GHz帯も使用することが望ましいため、ほかの移動体通信事業者と協力して3.5GHz帯も使用するという。

共通の周波数、共同で建設、共用のネットワークを指す三共を提唱しており、ほかの移動体通信事業者が取得した3.5GHz帯を使用したNR方式のネットワークを共同で整備して共用する計画で、それを実現すべく規制当局と調整する方針を示している。

Asia Pacific Telecomは協力する移動体通信事業者を明らかにしていないが、LTE方式に準拠した4Gサービスを商用化した当初は国内ローミングとして台湾の移動体通信事業者であるTaiwan Mobile (台湾大哥大)が整備したLTE方式のネットワークを使用していたことがある。

Asia Pacific Telecom

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