インド当局が5Gトライアルを承認、中国企業は含まれず
- 2021年05月05日
- 海外携帯電話
インドの政府機関で電気通信分野の行政を担当する電気通信省(Department of Telecommunications:DoT)はインドの移動体通信事業者(MNO)に対して第5世代移動通信システム(5G)の技術を使用および適用した試験の実施を承認したと発表した。
5Gの試験は4社の移動体通信事業者に承認しており、具体的にはBharti Airtel、Reliance Jio Infocomm、Vodafone Idea、Mahanagar Telephone Nigamの4社である。
移動体通信事業者各社は基地局ベンダと提携して5Gの試験を実施することになり、スウェーデンのEricsson、フィンランドのNokia Solutions and Networks、韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)、インドの政府機関であるテレマティクス開発センタ(Centre for Development of Telematics:C-DOT)が開発した基地局を使用する。
中国企業は含まれていない。
また、Reliance Jio Infocommは自社で独自に開発した基地局も使用する計画という。
5Gの試験では試験用の周波数である700MHz帯、3.5GHz帯、26GHz帯を使用できるほか、移動体通信事業者がすでに保有する800MHz帯、900MHz帯、1.8GHz帯、2.5GHz帯の使用も可能である。
実施期間は基地局の調達と整備に要する約2ヶ月を含めて6ヶ月に設定されている。
電気通信省は5Gの試験で3GPP (3rd Generation Partnership Project)が仕様を策定したNR方式に加えて、インド工科大学マドラス校、インド工科大学ハイデラバード校、Centre of Excellence in Wireless Technology (CEWiT)が仕様を策定した5Gi方式を使用することを推奨している。
5Gi方式は5Gの無線インターフェイスとしてインド電気通信標準化協会(Telecommunications Standards Development Society India:TSDSI)が提案し、ITU-R勧告M.2150で承認された5Gの無線インターフェイスのひとつである。
インド電気通信標準化協会が提案した技術仕様は3GPPが提案した技術仕様と一部で互換性がない部分が存在するため、異なる無線インターフェイスとして反映されることになった。
電気通信省はインドの事業体が仕様を策定した技術仕様を推進する方針で、国際電気通信連合(International Telecommunication Union:ITU)が承認した無線インターフェイスであることを思い出すよう強調した。
5Gの試験は周波数特性の試験、基地局の評価や調整、固有の技術、使用事例、携帯端末などの試験を実施する目的で承認しており、商用では使用できない。
インドでは5Gを商用化しておらず、インドの移動体通信事業者が5Gを導入する具体的な時期は確定していない。
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