ドネツク人民共和国の携帯電話事業者Phoenixが4G LTEサービスを開始
- 2018年10月15日
- 海外携帯電話
ドネツク人民共和国の移動体通信事業者(MNO)でブランド名をPhoenixとして展開するRepublican Operator Communications (Respublikanskiy Operator Svyazi)は第4世代移動通信システム(4G)としてLTEサービスを商用化した。
Republican Operator Communicationsはウクライナのドネツク州の一部を実効支配するドネツク人民共和国政府が運営する移動体通信事業者である。
オランダのVEONの全額出資子会社でウクライナ最大の移動体通信事業者であるKyivstarから押収した資産を利用して移動体通信サービスを提供する。
2018年2月よりLTEサービスの試験を進めてきたが、2018年9月にLTEサービスを商用化したという。
周波数はFDD-LTE方式の800MHz帯(Band 20)を利用している。
なお、Republican Operator Communicationsは公衆陸上移動体ネットワーク番号(Public Land Mobile Network Number:以下、PLMN)が255-99で、ルガンスク人民共和国の移動体通信事業者でブランド名をLugacomとして展開するLugansk Communications (Luganskiye Kommunikatsii)と同じPLMNを利用する。
Lugansk Communicationsはルガンスク人民共和国政府が運営する移動体通信事業者で、Republican Operator Communicationsと同じくKyivstarから押収した資産を利用して移動体通信サービスを提供するが、通信方式は第2世代移動通信システム(2G)のGSM方式のみと遅れている。
ドネツク人民共和国政府とルガンスク人民共和国政府が実効支配する領域ではウクライナの移動体通信事業者としてはVF UkraineとIntertelecomが移動体通信サービスを継続しているが、ウクライナ政府の実効支配は及んでおらず、戦闘で安全性に問題があることから、通信設備のメンテナンスは正常に実施できていない模様である。
ただ、Republican Operator CommunicationsやLugansk Communicationsの移動体通信サービスも問題がないわけではなく、戦闘の影響で発生した停電で通信障害がしばしば発生している。
参考までに、VF Ukraineはロシアの移動体通信事業者でMTSブランドを展開するMobile TeleSystemsの全額出資子会社であるが、ウクライナにおける反露感情の高まりを受けて、英国のVodafone Groupとブランドライセンス契約を締結してブランド名をMTSからVodafoneに変更し、社名をMTS UkraineからVF Ukraineに変更した。
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