中国外交部が日本政府のIT調達方針にコメント、懸念や反対の言葉はなし
- 2018年12月11日
- 携帯電話総合
中国の政府機関で外交を担う外交部(Ministry of Foreign Affairs:MFA)は日本政府がIT調達における調達方針および調達手続きを規定した件にコメントした。
外交部が2018年12月10日に開催した定例記者会見において、外交部の報道官が記者の質問に回答するかたちで言及している。
外交部の報道官のコメントは下記の通りである。
中国政府は日本政府が政府調達に関する新たな規定を導入した件に気付いており、これまで日本政府とは外交ルートを通じて連絡を取り合ってきた。
菅義偉内閣官房長官が記者の質問に対して特定の企業や特定の機器を排除する目的の規定ではないと説明した発言を認識している。
強調すべきことは、中国企業の日本における投資や協力の本質は相互利益である。
中国側は一貫して商業原則と国際規則の遵守および現地法に基づいて日本で投資や協力を展開するよう中国企業に奨励してきた。
同時に中国側は中国企業が日本で経営活動を行うために公平かつ透明性のある環境を提供するよう日本側に求めている。
中国側は日本側の規定の執行状況に細心の注意を払う。
重要なことは、日本で正常に経営活動を行う中国企業を不公平に扱うことはできない。
外交部の報道官のコメントは以上である。
2018年12月7日に日本政府が中国のHuawei Technologies (華為技術)やZTE (中興通訊)の排除を念頭に置いた指針を導入すると報じられた直後は、外交部が深刻な懸念を表明し、駐日中国大使館が強烈な反対を表明するなど、反発する姿勢を示していた。
しかし、2018年12月10日のコメントでは中国企業に公平な環境を与えるよう牽制したものの、深刻な懸念や強烈な反対などの言葉は用いず、抑えた表現にとどめている。
日本政府の規定では特定の企業や機器の名指しは避けており、中国政府としては中国企業が特定して排除されない限り、強い言葉を用いた抗議は難しいと思われる。
また、日本政府はそれを踏まえて特定の企業や機器の名指しは避けたはずである。
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